「俺が選んだ他の作品は、ほとんどが美しい敗者のようなものだけど、ビートルズは唯一の勝者だ。俺とウィリアムは、常にビートルズが大好き。みんなは『Sgt. Peppers』についてあれこれ言うけれど、そんなのクソ食らえだ。みんなが夢中になるべきなのはこれだ。このアルバムは音楽を永遠に変えたと思う。『With The Beatles』から3年後にこれが出たなんて、本当に奇妙だ。“Tomorrow Never Knows”のような曲を聴くと、正気とは思えない。“I Wanna Be Your Man”から3年後にリリースされた曲だ。俺はパンクロックが大好きだったが、他の音楽をすべて排除するようなことはしなかった。すべて排除するようなパンクロック好きの人たちは、すべて間違った見方をしていると感じていた。パンクロックは扉を閉ざすものではなく、扉を開くものだ。パンクロックを愛するようになる前から、俺はビートルズを愛していた。一晩で古いアルバムをすべて捨て去るようなことはしなかった。そんなことをしたら、まったく愚かだ。このアルバムは、誰も予想できなかったものへと変化した。そのおかげで音楽は一夜にして変わったと思う」
「ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのアルバムならどれでもよかった。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの名前が書かれたものなら何でも聴くべきだ。それが今の若者たちへの俺のアドバイスだ。彼らはインディーズのビートルズのような存在だ。文化的にはビートルズと同じくらい重要だ。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの影響でバンドを始めた人はどれだけいるだろう? 66年、67年の彼らのスタイルは最高だった。それ以降、インディーズバンドはみんなあのスタイルを目指した。音楽はとにかく、妥協を一切許さないものだった。1967年に“Heroin”のような曲を歌うなんて、信じられないよ。ドラッグを賛美し、ドラッグを美化している。彼らはヘロインをやってたんだから、それを歌ってもいいじゃないか。それに“I’ll Be Your Mirror”や“Sunday Morning”と同じアルバムに入っているという事実だけでも驚きだ。
■The Pastels『Slow Summits』 ■Siouxsie And The Banshees『The Scream』 ■Subway Sect『We Oppose All Rock & Roll』 ■The Saints『(I’m) Stranded』 ■The Cobbs『Trophies For Lovemaking!』 ■Mark Lanegan『Bubblegum』 ■Vashti Bunyan『Just Another Diamond Day』