HOME > ニュース >

ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアの凄さとは?50年来の友人であるロキシー・ミュージックのフィル・マンザネラ語る

2025/04/22 17:36掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
David Gilmour and Phil Manzanera - 2004 (Image credit: Suzan Moore / Alamy Stock Photo)
David Gilmour and Phil Manzanera - 2004 (Image credit: Suzan Moore / Alamy Stock Photo)
ピンク・フロイド(Pink Floyd)デヴィッド・ギルモア(David Gilmour)ロキシー・ミュージック(Roxy Music)フィル・マンザネラ(Phil Manzanera)は50年来の友人です。ギタリストのギルモアの凄さはどこなのか? 50年以上、ギルモアのギタリストとしての成長を間近で見守ってきたマンザネラがGuitarPlayerの新しいインタビューの中で語っています。

「16歳の時にデヴィッドと初めて出会い、その後、彼のキャリアを追いかけてきた。

5年後、僕がロキシー・ミュージックに参加した時、ロンドンにあるエア・スタジオでクリス・トーマスが(ピンク・フロイドの)『Dark Side of the Moon』のミキシングをしているのを耳にした時に、彼と再会した。その時、僕たちはそこでロキシー・ミュージックの2ndアルバムを制作していた。

スタジオ2のコントロールルームに入ると、フロイドのメンバーは誰もいなく、クリスだけがいて、彼は“Money”という曲を聴かせてくれた。ギターソロを聴いた時、“なんてこった、これはすごい!”と思ったよ。

それでデヴィッドに電報を送った。”僕のこと覚えてるかい? 今はロキシー・ミュージックっていうバンドにいるんだ”とね。そうしてまた連絡を取り合うようになった。だから、彼とはものすごく長い付き合いになるんだよ」

ギルモアの親しい仲間となったマンザネラは、彼のギタリストとしての成長を間近で見守ってきました。

「彼のスタイルが進化していくのを僕はずっと見てきた。“Another Brick in the Wall, Part 2”のギターソロを初めて聴いた時、“うわー、一体どうやってこんなプレイをしたんだ?”と思ったのを覚えているよ。

彼のサウンドと音色について? シド・バレットはもっと奇抜で実験的で、それほどブルース志向ではなかった。でもデヴィッドはピンク・フロイドにブルースの感性のようなものをもたらし、同時に実験的なこともこなさなければならなかった。そうして彼は、奇妙で素晴らしいサウンドを生み出す独自の方法を進化させていったんだ」

その後の数十年間、彼らの友情は深まり、音楽的に協力するまでになりました。ギルモアはマンザネラのデモトラックを、ピンク・フロイドの1987年アルバム『A Momentary Lapse of Reason』収録曲「One Slip」へと作り変えました。

ギルモアが3rdソロアルバム『On an Island』(2006年)のレコーディングのためスタジオに入る際、彼はマンザネラにプロデュースを手伝ってもらい、3曲のギター演奏にも参加してもらいました。マンザネラはその後、同アルバムのツアーバンドにも参加しました。こうした経験を通して、ギルモアの緻密なプレイスタイルを深く知ることになったという。

「デヴィッドの演奏の特長のひとつは、ある意味では僕と少し似ている部分もあるんだけど、ディストーションやエコーに焦点を当てているように見えても、実際は彼の音の弾き方やベンドの仕方、そして手の力強さにあるんだ。

そして彼は素晴らしいチューニングのセンスを持っている。チューニングには非常にこだわりがある。だから、彼がレコーディングする時には、チューニングをチェックするために、いつもすぐそばにチューナーを置いていた。彼が出来上がったテイクか何かを聴きに来て、もし音が正しいチューニングになっていなかったすると、彼は録り直しを主張していた」

マンザネラは、ギルモアがラップ・スティール演奏にも非常に長けていると述べています。

「ラップスチールの使い方も非常に独特なんだ。あのような音楽的文脈であんな風にできる人は他にいない。カントリーミュージックでもなければ、超高速のスティール・ストリング奏法でもない。繰り返しになるけど、彼は素晴らしいチューニングのセンスを持っているので、的確なポイントを見つけ出すことができる。それはスライド奏法に似てるものの、座って、ある種のメロディック・ブルージーな感じで弾くようなものだよ。実に独特だと思う」