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ブラック・サバス最後のコンサートで音楽監督を務めるトム・モレロ、この公演について/ブラック・サバス愛/メタル愛について語る

2025/03/04 17:52掲載
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Black Sabbath - Back To The Beginning
Black Sabbath - Back To The Beginning
ブラック・サバス(Black Sabbath)のオリジナル・ラインナップが再結集するオリジナル・メンバーによる最後のコンサート『Back To The Beginning』。音楽監督を務めるレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロ(Tom Morello)が、この公演について、ブラック・サバス愛、ヘヴィメタル愛について、米Guitar Playerの新しいインタビューの中で語っています。

最後のコンサートは7月5日に英バーミンガムのヴィラ・パークで開催されます。オジー・オズボーン(Ozzy Osbourne)トニー・アイオミ(Tony Iommi)ギーザー・バトラー(Geezer Butler)ビル・ワード(Bill Ward)のオリジナル・ラインナップの共演は約20年ぶりです。

また当日はオジー・オズボーンのソロ・ライヴも行われる予定で、これがオジーにとって最後のコンサートになることを妻でマネージャーのシャロンが明かしています。

またこの公演ではメタリカ、スレイヤー、パンテラ、アンスラックス、ガンズ・アンド・ローゼズ、トゥールなど多数のバンド/アーティストがサポートを務めます。さらにこの公演には、スラッシュ、ダフ・マッケイガン、ビリー・コーガン、ジェイク・E・リー、K・K・ダウニング、ウルフギャング・ヴァン・ヘイレン、トム・モレロなどのスターが参加する「スーパーグループ」によるパフォーマンスも行われる予定です。

モレロはこう話しています。

「このイベントのアイデアは、ヘヴィメタル史上最高のバンドのために、ヘヴィメタル史上最高の一日をキュレーションすることなんだ。

メタルは、俺が音楽を好きになるきっかけとなった音楽なんだ。メタルのポスターを壁に貼り、最初に覚えたメタルのリフのおかげで、ギターを弾くことが大好きになり、ミュージシャンになりたいと思うようになった。

だから、恩義がある。説得力とキュレーターとしての才能を活かして、俺にとってとても意味のあるこのジャンルを推進し、称えることができるのは、とても光栄なことなんだ。

1日中、各バンドがサバスへのトリビュートを披露する。これは一生に一度の公演なんだ」

Q:このイベントはどのようにして始まったのですか?

「1年以上前、オジーとシャロンが俺のところに来て、“最後の盛大なサバスのパーティーをやるつもりだ。 企画を手伝ってくれないか? 音楽のキュレーションと準備を手伝ってほしい”と言われた。ブラック・サバスとオズボーンの大ファンである俺は、その依頼を光栄に思ったよ。

数か月にわたって、招待するバンドやミュージシャンのリスト、そして当日演奏される可能性のある曲のリストをまとめた。いよいよ佳境に入ってきたよ」

Q:ジェイク・E・リーも参加するというのは、かなりクールですね。

「そうとも!ジェイク・E・リーも参加するんだ!オジー作品の大ファンにとっては、さまざまな意味で歴史的なイベントだ。ブラック・サバスを祝うイベントでもあるが、オジー・オズボーンの最後の公演でもある。ある意味では、俺が1日に8時間練習していた頃、壁にポスターを貼っていた偉大なランディ・ローズへのトリビュートでもあるんだ。

彼はミュージシャンズ・ミュージシャンだった。俺は、この日のキュレーションという仕事を非常に真剣に受け止めている。ブラック・サバスの存命メンバーに敬意を表するだけでなく、俺個人にとって、またこのジャンルにとって非常に重要な存在であるランディ・ローズにも敬意を表したい。この日、そのことも含めて特別な一日となるんだ」

Q:オリジナルメンバー4人の演奏曲はもちろん、他の出演者やオジーと、どんな曲を演奏するかについて話し合いましたか?

「そのことについてはたくさん話し合ったよ。でも、何も言わないよ(笑)。とてもワクワクするものになる! 少しだけお教えしましょう。サバスが演奏する。オジーも演奏する。そして、メタリカ、ガンズ・アンド・ローゼズ、トゥールなど、史上最高のブラック・サバスのカヴァー・バンド12組も参加するんだ」

Q:それぞれまったく異なるバンドですが、サバスに敬意を表しています。これを可能にしている共通点は何でしょうか?

「サバスがいなければ、ヘヴィメタルは存在しなかっただろう。 俺たちは皆、彼らの音楽の素晴らしさだけでなく、それを世に送り出してくれたこと、つまりヘヴィメタルという音楽とコミュニティが生まれたことに恩義を感じている。それは、若い頃の俺を支えてくれたものであり、世界中の労働者階級や中流階級の人々にとって非常に、非常に意味のあるものなんだ。

あのサウンドは英国のバーミンガムからしか生まれてこなかっただろう。ある意味では、60年代のフラワーパワ・のムーブメントの中心に杭を打ち込んだものだった。その2年前には、あのような音楽は想像もできなかった。そして今、その音楽は、この公演で演奏する俺たちや、何百万人もの人々が楽しんできた何千ものバンドのDNAに組み込まれているんだ」

Q:初めてサバスを知った時のことを覚えていますか?

「最初はファンじゃなかった。ただただ怖かった。ある日、誰かがサバスの『Sabbath Bloody Sabbath』を学校に持ってきたんだけど、俺はそのジャケットを見て、“ちょっと待って、それをアルバム・アートに選んだバンドがいるの? バンド名はブラック・サバス?”と驚いたのを覚えている。俺にとって、それはまったく別次元のものだった。

いつからファンになったのか? 『Paranoid』がバンドと素晴らしいリフと雰囲気を知るきっかけとなった。今までにないものだった」

Q:ブラック・サバスはあなたの音楽にどのような影響を与えたのでしょうか?

「俺はリフの作曲家だ。リフ作りの原点はジミー・ペイジとトニー・アイオミ。彼らは2本の柱であり、俺のサウンドを構築する上で大きな役割を果たしている。“Iron Man”は俺が最初にギターで覚えたリフのひとつ。トニー・アイオミは他にも史上最高のエレキギター・リフを200~300曲は持っている。ミュージシャンとしてブラック・サバスの音楽から学んだ大きな教訓は“シンプルで最高であることを恐れるな”ということだ。

ギターのレッスンを受けて“Sweet Leaf”を学んだとき、ギターの先生はちょっと気取った感じで、いかにも“こんなの簡単だ”と鼻で笑っているような感じだった。俺は“そんなことが偉大さの基準ではないだろう。この曲は今まで経験したことのないほど俺を揺さぶる、とんでもない曲なんだ。4音だろうが4万音だろうが、そんなことはどうでもいい。最高なんだ!”と思っていたよ。

ブラック・サバスなどのバンドのおかげで、他の人とは違った見方で音楽を見ることができるようになった。そして、それは長年にわたって自分の音楽やリフに取り入れてきたことのひとつなんだ」

Q:それらのリフが「簡単」だとしても、実際に演奏してみると、トニー・アイオミのようなサウンドには決してならないでしょう。

「確かに。誰もが知っているように、あの事故で彼は2本の指の先端を失った。彼は、文字通りアイアンマンなんだ! 彼の指は人間のものではない。確かにそれも関係しているだろう。それに、トニー・アイオミの素晴らしいリフのすべては、ギーザー・バトラーとビル・ワードのリズムセクションによって素晴らしいものになっている。それが、ただ素晴らしいだけでなく、ブラック・サバスならではのリフへと昇華させているんだよ」