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ビートルズ『赤盤』『青盤』新版でミックスを担当したジャイルズ・マーティン 「じつは真の革新は新曲ではなく初期楽曲」

2023/10/28 21:05掲載
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The Beatles / 1962–1966 & 1967–1970 [2023]
The Beatles / 1962–1966 & 1967–1970 [2023]
ビートルズ(The Beatles)最後の新曲「Now And Then」にあわせて、『ザ・ビートルズ1962年~1966年』(通称『赤盤』)と『ザ・ビートルズ1967年~1970年』(通称『青盤』)が2023年エディションとして発売されます。今回、ジャイルズ・マーティン(Giles Martin)とサム・オケルは初期楽曲を、「Now And Then」でも使用された『ザ・ビートルズ:Get Back』で開発されたオーディオ・デミキシング技術の手助けを借りながら、新たにステレオおよび/またはドルビーアトモスでミックスしました。ジャイルズによると、オーディオ・デミキシング技術は今回「Now And Then」で注目を集めているものの、「真の革新は初期楽曲にあると思う」と話しています。

『赤盤『青盤』2023年エディションについて詳しくはこちら

以下、GRAMMY.comのインタビューより

Q:『赤盤』『青盤』を拡張した背景にはどのような考えがあったのですか?

「これは、まさに“Now and Then”からきている。“Now and Then”が完成して、これはアルバムにはできない。何に収録するんだ?となった。

人々の聴く好みを尊重しようという考えもあった。例えば、(2000年のベスト・アルバム)『1』は人々が聴いているビートルズの最も人気のある曲を反映していない。

その後、『赤盤』『青盤』の50周年だと気づいた。僕よりずっと年上の世代にとって、『赤盤』『青盤』は、ある種の重みがある。僕はトラックリストを全部知っている。発売されたとき、僕は3歳だったと思うけど、家にあったんだ。

だから、『赤盤』『青盤』を作ることにしたんだけど、かなり時間がかかったよ」

Q:あなたはビートルズ後期のアルバムをリミックスしてきましたが、彼らの初期の作品に触れるのは初めてです。1962年という早い時期の曲をリミックスするのは、まったく別のものだったに違いない。

「正直なところ、それが楽しかったんだ。

6ヶ月前にはこれらの曲を作ることはできなかった。ドラム、ベース、ギターを分離して、それぞれ違う要素を持つことができるように技術を開発する必要があった。彼らは良い音を出している。変な音や人工的な音は一切しない。

みんなは“Now and Then”(で使われた技術)については“Now and Then”で話すと思う。でも僕は、真の革新は初期のビートルズの作品にあると思う。音が当時のままの音のように聴こえる。演奏は変わらないけど、エネルギーは違うみたいな。

リンゴはいつも“僕たちはスタジオにいる若造の集まりだった”と言っていたけど、たしかに、スタジオにいる若造の集まりのように聴こえる。今は、彼らが演奏していた時の年齢のサウンドになっているんだ。

それは僕にとって、これらの曲を作る上でとても重要なことだっだ。彼らが曲を作っていた頃は、今のハリー・スタイルズよりずっと若かった。みんなは彼らを年寄りだと思ってるけど、そうじゃない。

それはある意味、僕にとって重要なことだった。僕たちは年をとる--こんなこと言いたくないけど、僕たちは年をとるんだ。レコーディングというのは、その性質上、その年齢のままなんだ。ビートルズの曲は、いつまでもその年齢なんだよ。

今、彼らはスタジオで楽器を演奏している若者の集団のように聴こえると思う、それは本当にエキサイティングなことだと思うんだ。僕たちが採用したテクノロジーによって、奇妙なことに、彼らが持っていたテクノロジーの不十分さを取り除くことができるようになった。

偉そうな意味で言っているのではない。僕が言いたいのは、僕の父は、ビートルズを1つのスピーカーから聴かせ、もう1つのスピーカーから聴かせたくなかった。2つのトラックがそうなることを望んでいなかった。彼はそれを嫌っていた。嫌がっていた。

でも、今の曲みたいに真ん中からドラムを出せるようになった。それを満喫できるし、楽しいし、エキサイティングだと思うよ」