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ポール・ロジャース、ロックの殿堂入り式典を欠席した自身の健康問題/亡くなったミック・ラルフスの晩年/自身の今後の計画を語る

2025/12/05 20:00掲載
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Paul Rodgers
Paul Rodgers
バッド・カンパニー(Bad Company)ポール・ロジャース(Paul Rodgers)はローリング・ストーン・ブラジルの新しいインタビューの中で、ロックの殿堂入り式典を欠席した自身の健康問題、2025年に亡くなったミック・ラルフス(Mick Ralphs)の晩年、自身の今後の計画について語っています。

「ロックの殿堂入りの式典とテレビ番組のリハーサルに向けて出発する約1週間前、血圧がとても高くなり、胸の痛みや動悸が出始めた。医師に診てもらったところ、絶対に飛行機に乗ってはいけないと言われた。医師からは自宅で安静にしていることを勧められ、その通りにしたことで危機を回避できたと思っている。今の僕は人生の禅の段階にいて、静かで穏やかな日々に身を浸すことを楽しんでいる。再び歌えるようになり、毎日、たった一人の観客に向けて披露しているよ」

ロジャースはまた、2025年に亡くなったミック・ラルフスの晩年についても語っています。

「ミックは本当に唯一無二のプレイヤーで、唯一無二のソングライターで、唯一無二の男だった。彼のすべてが大好きだったし、ユーモアのセンスも最後の最後まで失われなかった。

多くのファンは知らないかもしれないが、ミックは人生の最後の8年と4分の3を、歩くことも手を使うこともできない状態でベッドの上で過ごしていた。

彼は重い脳卒中を患っていて、僕たちは高気圧酸素療法を受けさせようとしたり、鍼灸師やリフレクソロジストに診てもらおうとしたんだが、残念ながら反対された。僕たちは家族ではなかったので、彼の医療処置に関して権限がなかった。弁護士を雇い、彼の多くの友人や長年の恋人が住んでいるヘンリーにある施設へ移すことはできた。その施設のほうがミックのニーズにより適していたんだ。

彼とはよく話をした。彼と最後に会話をしたのは、亡くなる2日前だった。その時点で彼は言葉を発することはできなかったけど、最後にもう一度だけ、彼を笑わせることができたよ。

ミックは、たった3音でその音色を識別できる稀有なギタリストの一人だった。音を聴けばミック・ラルフスだとわかるんだ。彼の音色はとても豊かで深みがあった。彼の音楽、ユーモア、そして人への接し方。彼が残したレガシーは計り知れないよ」

ロジャースは自身の今後の計画についても語っています。

「今取り組んでいるメインのプロジェクトは、僕の回顧録だよ。この1年ほど、素晴らしい作家のクリス・エプティングと一緒に取り組んでいる。週に1回くらいのペースでZoomでおしゃべりしていて、それが昔からの友人と話しているみたいになってきた。彼はとても熱心で、インスピレーションを受け、僕の物語に強い関心を持ってくれている。こうした会話のおかげで、記憶の奥深くに眠っていた数々の物語を呼び覚ましてくれたんだ。

回顧録を書くのは説得されるまで躊躇していた。自分の物語が特別にユニークだとか特別だとはあまり感じていなかったし、今でも自分のことを、たまたまものすごく幸運だったイングランドのミドルズブラ出身のただの若者だと思っている。Zoomで話した何日か後には、一人で静かに座って“本当にあんなことがあったのか?”って考え込むこともあった。僕が一緒に演奏した偉大なギタリストたちのことを思い返してみてよ? ジミー・ペイジ、ポール・コゾフ、ミック・ラルフス、ブライアン・メイ、ジェフ・ベック、まだまだたくさん……ジョー・ボナマッサ……僕はどれだけラッキーなんだ?

原稿の一部をいくつか読み始めたとき、これは本当に唯一無二で、魔法のような冒険だったんだと実感したし、それをみんなと共有したいと思うようになった。ミュージシャンだけじゃなく、僕の人生の物語から何かを学べる人々にもインスピレーションを与えられればと思っているよ。2026年末に本が出たあとには、おそらくドキュメンタリーの準備に取りかかることになるだろうね」