
David Bowie - Heroes (Live Aid, 1985)
映画『ボヘミアン・ラプソディ』では、『ライヴエイド』は
クイーン(Queen)のパフォーマンスの後に寄付が急増したと描いていますが、『ライヴエイド』の発起人
ボブ・ゲルドフ(Bob Geldof)はそれを否定。実際は
デヴィッド・ボウイ(David Bowie)のパフォーマンスの後だったと、『ライヴエイド』の40周年を記念した米ニューヨーク・タイムズ紙の特集の中で語っています。
「その映画は正しくない。クイーンは完全に、絶対に素晴らしかった。しかし(実際は)デヴィッド・ボウイがパフォーマンスをした後、電話回線がパンクしたんだ」
ゲルドフは、カナダ放送協会(CBC)が制作したものの、放送されなかったエチオピア大飢饉に関するレポートの存在を明かし、パフォーマンスをする前にボウイにそれを見せたと振り返っています。
「放送できなかったカナダ放送協会のレポートがあった。映像があまりにも衝撃的だったためだ。編集者は(エチオピアの首都)アジス・アベバの様子を(ザ・カーズの曲)“Drive”に合わせてフィルムを編集していたが、BBCのレポートよりもひどい内容だった。
コンサートプロモーターのハーヴェイ・ゴールドスミスと私は、デヴィッドにどの曲を歌うか相談しに行った。でも、曲の話をする前に“これを見てくれ”と言ってその映像を流した。
デヴィッドは泣きながら、自身のセットリストから1曲をカットして代わりにCBCのレポートを流すと言った。コンサート中、この瞬間は特別なものだった。“Heroes”の最後で観客全員が歌っている最中、彼は静かにこの映像を紹介し、人々に寄付を呼びかけた。まるで頬を叩かれたような衝撃だった。
ボウイが会場を沸かせた。それが決定的な瞬間だった」