Billy Joel, John Mayer (Image credit: Emma McIntyre/Getty Images for SiriusXM)
ビリー・ジョエル(Billy Joel)はライヴは行っていますが、彼にとって作曲はもはや自身の仕事ではないという。
ジョン・メイヤー(John Mayer)は、ジョエルに「もう曲を書いていないとしても、“ソングライターのビリー”はまだどこかに存在しているはず。彼に何が起こったのかを知りたい」と尋ね、ジョエルはなぜ、作曲をもうやりたくないという境地にまで達したのかを話しています。
ジョエルは今年、17年ぶりの新曲「Turn the Lights Back On」をリリースしましたが、これはあくまでも例外的な作品です。今年6月に米Varietyのインタビューの中で、こう話していました。
「作曲をしていると、88本の歯を持つ大きな黒い獣(※ピアノの鍵盤の数は88)が僕の指を噛みちぎろうとするんだ。僕は自分自身を追い詰めてしまう。自分が望むような良い作品にはならない。それは大きな苦悩であり、もうこれ以上自分を苦しめたくないと思ったんだ。以前は、曲を作っているときは、ハードルを高く設定していたため、飲酒問題を抱えたり、自己嫌悪に陥ったりしていた。もうそんなことはしたくない。音楽を作ることは大好きだよ」
メイヤーは先日、SiriusXMの自身の番組『How's Life with John Mayer』にジョエルを迎えて、こう尋ねました。「もう曲を書いていないとしても、“ソングライターのビリー”はまだどこかに存在しているはず。彼に何が起こったのかを知りたい」。
ジョエルはこう答えています。
「彼は決して消えない。ソングライターというものは生涯付きまとう呪いのようなものだ。僕が素材を聴いたり、他の人の曲を聴いたりすると、ライターは常に働いている。“僕はこうしただろう”とか“なぜそのコードになったのか?”というふうにね」
ジョエルは、長いキャリアを持つソングライターの難しさについて、こう打ち明けています。
「常に自分のやったことを改善しようとしている。
初期の頃は、曲を書いているときは、後になってから行うような編集作業はあまり行わない。そして、書けば書くほど上達していく。でも、ある時点で十分に上達してしまい、もうそれ以上は上達できなくなってしまうんだ」
メイヤーは、それはライターの「耳」が「その瞬間に自分から出てくるものよりもよくなっている」が原因だと考えているという。メイヤーは「ソングライターの達人になる。でも、その呪いとして、作曲していると耳が良くなりすぎて、“それは何だ?最悪だ”となってしまう」と話し、ジョエルもそれに同意しています。
言い方を変えれば、作曲がうまくなればなるほど、落胆も大きくなり、ジョエルのように、もうやりたくないという境地にまで達してしまうのだという。