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マイケル・シェンカー 「自己表現が俺の使命」「テクニックなんてどうでもいい」「V字型ギターの魅力」を語る

2024/10/23 14:35掲載
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Michael Schenker
Michael Schenker
マイケル・シェンカー(Michael Schenker)の一番のモチベーションは「自分を表現すること」で「自己表現が俺の使命」だという。Total Guitarのインタビューの中で語る。また「俺にとってテクニックというものはない」そうで「音を見つけさえすればいいので、やり方が正しいか間違っているかはどうでもいいこと」だとも話し、さらにV字型ギターの魅力も語っています。

Q:最も誇りに思っている曲やパフォーマンスは?

「すべてに満足しているよ。俺にとっては、曲がすべてではないんだ。俺はリードギタリストだ! リード・ギター奏者は考え方が違う。俺の人生は常に発展を続けてきたから、どの瞬間も特別だし、どの瞬間も異なるんだ。どれも比較することはできないよ」

Q:プレイヤーとして、一番のモチベーションは何でしたか?

「自分を表現したかった。それが俺がささげてきたことだ。今でもそうだし、50年間、影響されないように(他の)音楽を聴かずにやってきた。そこから独自性が生まれる。自分だけのものを開拓することに集中する。そう決意した人なら誰でもできる。俺は音楽の修道士のようなものだ。それが俺の使命。自己表現が俺の使命なんだ。

音楽だけでなく、あらゆる意味でそれが俺の望みだ。俺は自己表現が大好きで、本当に自分がやりたいことをやるだけ。誰かの真似をするのではなく、自分で選んだ方法でそれをやる場所にいるだけなんだ」

Q:最も習得に苦労したテクニックは何ですか?

「俺にとってテクニックというものはない。テクニックは、非常に、非常にバックグラウンドにあるものだ。重要なのは音を見つけること。どこかにあるとわかっているので、それを見つけなければならなかった。最終的に考えたのは、その音を見つけさえすれば、正しいやり方であろうが間違ったやり方であろうが、どちらでもいいということだった。

それが俺がやったことだ。今日のギター教室のような、完璧な手のポジションや指の持ち方、5本の指を使った演奏方法を学ぶとは違う、間違った演奏方法を、俺は毎日毎日、身につけていった。でも、もし最初のやり方に従っていたら、俺は自分の音を見つけることはできなかっただろうし、俺がこれまでに書いた曲は書けなかっただろう。やり方が正しいか間違っているかは、どうでもいいことなんだ」

Q:プレイヤーとして、何か悪い癖はありますか?

「悪い癖なんてないよ! あるのはただひとつ、どんな方法であれ、良い音楽を作ることだけなんだ。 どうやってもいい。俺にとって、正しいも間違いもない。 もっと簡単なポジションでギターを弾ければ技術的には上達するだろうけど、でも、俺のスタイルのように、ギター教室で教わるような正しいポジションで完璧に弾いても、必ずしも伝わるとは限らない演奏の仕方もあるんだ。

釣りのようなものだよ。音をどう見つけるか、弦をどう叩くか、どう弾くか、それが音の組み立て方だ。それはテクニックではない。テクニックはすべてを画一的してしまう。

しかし、音を優先して探すと、すべてが立体的になり、アナログ的になる。温かみが生まれる。完璧ではなく、フィーリングなんだ。ギターを弾く際の指の位置が適切であることよりも、フィーリングが大切なんだよ」

Q:初期の頃、あなたにとって転機となったギターは何でしたか?

「トライアングル(三角形の)ギター! そう、とても奇妙な話なんだ。それまでフライングVを見たことはなかったんだけど、学生時代に木で何かを作ろうというプロジェクトに取り組んでいたとき、ギターを作りたいと思い、フライングVに似たトライアングル・ギターを作ったんだよ。

フライングVをレスポールやストラトキャスターの隣に置いても床に置いても、何の意味もない。ギターを手に取る人によって、何かが生まれるんだ。それがそのギターの存在意義なんだ。俺は偶然、フライングVを見つけた。俺の人生の多くのことがそうであるように、それも自然に起こったことだった。俺はそのギターを持つ運命だったのかもしれない。

そのギターを見つけたのは偶然だった。アンプとギターの組み合わせが気に入った。 自分のイメージするサウンドにより近かったし、ネックがぐらつかないようにVを足の間に挟むことで、とても良いビブラートができることに気づいた。しっかりと固定できるのも、そのギターを気に入った主な理由のひとつだよ」

Q:リラックスして楽しむために演奏するときは何を弾きますか?

「何も考えずにギターを手に取って演奏するだけだ。でも、調子を維持するためにやっていることがある。それは、メトロノームに合わせて演奏し、自分が遅くなっていないか確認すること。年を取ると時間の感じ方が若かった頃とは違ってくるから、前と同じ速さで弾いているつもりでも、実際には生体リズムのせいであまり速く弾けていないことがある。いつもメトロノームを使って、ある一定の速度で演奏している。昔の曲を弾けるようにしておかなければならないからね」

Q:プレイヤーとして失敗したと感じたり、パフォーマンスに恥ずかしさを感じた瞬間を覚えていますか?

「それは大きな質問だね。もちろん、音を外したときは恥ずかしい気持ちになるよ。でも、俺はあまりそこに焦点を当てないんだ。むしろ良い瞬間を重視したい。例えば、(1979年のUFOの伝説的なライヴ・アルバム)『Strangers In The Night』では、僕はヘタクソな音を弾いていたけど、今ではその外した音が正しい音になっているんだよ!みんながそれに慣れてくれたからね。みんなは俺に“マイケル、どうやってマイナーの上にメジャーを弾くんだ?”と聞いてくる。俺は“何のことだか分からないよ!”と言うんだけど、彼らは、あのヘタクソな音について聞いているのかもしれないね」