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モリッシーが最高傑作と呼ぶアルバム『Bonfire Of Teenagers』は完成済だが未だリリースされず 一体なにがあったのか? モリッシー自身が語る

2024/09/10 11:59掲載
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Morrissey
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モリッシー(Morrissey)が“僕の人生で最高のアルバム”と呼んでいるスタジオ・アルバム『Bonfire Of Teenagers』は2021年に完成したものの、現在もリリースされていません。当初は2023年2月にキャピトル・レコードから発売される予定でしたが、その後、彼はキャピトル・レコードを離れます。一体なにがあったのか? モリッシーは英テレグラフ紙の取材に珍しく応じ、インタビューでその状況について詳しく説明しています。

問題となっているのは、タイトル曲「Bonfire Of Teenagers」のようです。これはアリアナ・グランデのコンサート中に発生し、22人が亡くなった2017年のマンチェスター・アリーナのテロ攻撃を題材にした曲です。モリッシーは、この曲が原因でどのレコード会社もアルバムを望まなかったと主張しています。

「物議を醸すということは、知的なことだよね?  僕たちは今もなお“バカ文化”の支配下にある。どこを見ても、そこら中に存在している。当然、僕は言論の自由を信条としてきたので、真っ先に口止めされた一人だろう。タイトル曲は削除しない。マンチェスターで殺された子供たちを忘れないために。彼らの魂は、記憶と認知を求めて毎日叫び続けている」

「マンチェスター・アリーナ爆破事件は、我々にとっての9.11だった。しかし、この悲しい国では、テロの真の意味を理解することは罪を犯すことになる。だからこそ、“don't look back in anger(怒りを振り返るな/タイトル曲の歌詞にも登場するフレーズ)”という命令は常に嘲笑的に聞こえ、社会の調和を保つための言葉ではないと僕は感じてきた」

「一度でも自己編集したり、自己検閲したりすれば、愚か者の勝利だ。英国にはもはや芸術メディアが存在しないため、このことについてじっくりと語れる相手がいない。実際のところ、英国の真のアーティストたちは今、あらゆるオルタナティブな意見に反対する人々の人質になっている。最大のモンスターは、共感を促進するソーシャルメディアの運動である#BeKindのクルーだ。彼らに反対意見を述べれば、顔面をぶん殴られるだろう」

「ロンドンのメジャーレーベルは『Bonfire Of Teenagers』が傑作であることを認めながらも、これを拒否している。タイトル曲には侮辱的な要素も敵対的な要素もないにもかかわらず、レーベルのボスたちは、このような社会問題を意識した作品を支持すれば、ガーディアン紙に自分たちの人生を台無しにされるのではないかと心配しているんだ」

このアルバムにはレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)フリー(Flea)チャド・スミス(Chad Smith)イギー・ポップ(Iggy Pop)らが参加しており、アンドリュー・ワット(Andrew Watt)がプロデュースしています。