50年以上行方不明だったポール・マッカートニーのベースギター発見　ポールに返却

50年以上前に目撃されて以来、行方不明となっていたポール・マッカートニー（Paul McCartney）のお気に入りのベース・ギターが見つかりました。2023年秋に、このベースを捜索するプロジェクト「The Lost Bass Project」が立ち上げられましたが、その呼びかけによって見つかり、ポールに返却されています。

ポールの公式サイトは、声明でこう述べています。

「昨年のThe Lost Bass Projectを受けて、1972年に盗まれたポールの1961年製ヘフナー・500/1ベース・ギターが戻ってきました。ギターはヘフナーによって認証されており、ポールは関係者全員にとても感謝しています」

ドイツの老舗の楽器メーカー、ヘフナーは2023年秋に「The Lost Bass Project」を立ち上げて、ポールが初めて手にしたこのヘフナー・ベース・ギターを捜してほしいと世界中の人々に呼びかけていました。海外メディアによると、このベース・ギターは現在、1,000万ポンド（約19億円）の価値があると言われています。

ポールは1961年、ドイツのハンブルクで、このヘフナー・エレクトリック・ベース・ギター「ヘフナー・500-1 ヴァイオリンベース」を30ポンドで購入しました（現在の価格で約800ポンド・約15万円に相当）。ポールは1961年のハンブルク公演からビートルズ（The Beatles）初のアビー・ロード・レコーディングまで、1961年から1963年にかけて使用しました。このベースは「Love Me Do」「She Loves You」「Twist and Shout」で聴くことができますし、ポールはこの期間、ステージにこのベースを持ち込んでいました。

このベースが最後に目撃されたのは、1969年1月下旬、ビートルズがロンドンで「Get Back/Let It Be」のセッションを録音していたときだったと以前は考えられていましたが、「The Lost Bass Project」に寄せられた情報の中で、ウイングス（Wings）のサウンド・エンジニアであるイアン・ホーンは、ベースが最後に目撃されたのは1969年ではなく、1972年であることを明らかにしていました。1972年10月の夜にロンドンでバンの荷台から盗まれたという。詳しくはこちら。

ポールはベースがどこで発見されたのか明らかにしていませんが、英ガーディアン紙によると、学生のRuaidhri Guestが、自分がこの楽器を受け継いだと主張し、彼はSNSでこの楽器の写真を投稿。その後、元の持ち主に返されたと付け加えています。

「僕の友人と家族へ、僕はポール・マッカートニーに返却されたこのアイテムを受け継いだ。このニュースをシェアしてください」と彼は投稿しています。

「The Lost Bass Project」によると、ベースは完全な状態で、オリジナルのケースも付いています。再び演奏できるようにするには、いくつかの修理が必要ですが、専門家チームなら簡単に修理できるだろうと伝えています。

「The Lost Bass Project」によると、1972年10月に起きた盗難事件について調査した探偵が、誰がベースを盗んだのかを突き止め、その後、誰に売られたのかなども突き止めたという。そして、同プロジェクトは「イギリスの南海岸のテラスハウスに住むある人が、屋根裏部屋にあった古いベース・ギターを思い出しました。彼らはこれを取り出し、自分たちが何を持っているのかに気付きました。そして数日のうちに、ベースはポール・マッカートニーの元に戻りました！」と報告しています。この人物がRuaidhri Guest、または彼に近しい人なのだと思われます。

To my friends and family I inherited this item which has been returned to Paul McCartney. Share the news. pic.twitter.com/BlKP4L2ELP

— Rassilon Productions (Ruaidhri Guest) (@RassilonP) February 13, 2024

pic.twitter.com/eldmaTmn6D

— Rassilon Productions (Ruaidhri Guest) (@RassilonP) February 14, 2024

■「The Lost Bass Project」特設サイト
https://thelostbass.com/