1980年後半、
デフ・レパード(Def Leppard)の
ジョー・エリオット(Joe Elliott)は
U2の
ボノ(Bono)の家で開かれたパーティで
デヴィッド・ボウイ(David Bowie)に会う。3人は意気投合し、タクシーをつかまえて、誕生日だったジ・エッジに会いにいき、ハッピーバースデーを歌って、再びボノの家に戻る。何も知らされていなかったボウイの個人秘書は、ボウイがボノの家にいないので「誘拐された」と思ってエリオットらに怒ったという。エリオットは当時の逸話を英Classic Rock誌のインタビューの中で話しています。また、ボウイのために日本のブートレグをテープに録音して渡したエピソードも話しています。
エリオットにとって、ボウイは最大のヒーローの一人でした。80年代後半、エリオットはアイルランドに移住し、他のロックンロール界の大物たちと交流を深めていました。
「ボノの家に招待されたんだ。彼は大きなバーベキューをしていて、アイルランドの重要な人たちがすべてそこにいた。(映画監督)ジョン・ヒューストンとか、(俳優)ジョン・ハートとかね......僕がそこに着くと、ボノが“紹介したい人がいる”と言った。
彼は僕を2階のスヌーカーテーブルのある部屋に連れて行った。ボウイがテーブルの上に座っていた。ボノは“5分間だけね”と言ったので、僕は“先に言ってくれればいいのに。何を言えばいいんだ? デヴィッド、お母さんは元気?かな”と言ったよ」
エリオットとボウイは意気投合し、エリオットはすぐに2人とともに、ある行動をすることになりました。
「僕とボノとボウイはタクシーをつかまえて、ジ・エッジが誕生日だったので彼が食事をしていたレストランに向かったんだ。車を停め、車から飛び降りて、ジ・エッジにハッピーバースデーを歌って、また車に飛び乗って、ボノの家に戻ったんだ」
しかし、この突然の行動は、ボウイのパーソナル・アシスタント、ココ・シュワブは感心しませんでした。
「彼女はクソ発狂した。僕たちがボウイを誘拐したと思ったんだよ。“違うよ、デヴィッド・ボウイが僕らを誘拐したんだ”って言ったんだ」
その夜、エリオットはボウイが『Aladdin Sane』のセッションで録音した「All The Young Dudes」について話しました。
「彼は“演奏してから一度も聴いたことがない”と言っていたので、僕は“えっ、持っていないの?日本のブートレグなら持っているよ”と言うと、彼は“コピーしてくれないか
?”と言っていた。
翌日の夜、彼はダブリンのザ・ポイントで演奏することになっていたので、そのテープを録音して、ステージに上がる直前に彼に渡した。彼は“ありがとう”と言って、それをスーツの上着のポケットに入れて、そのままステージに出たんだよ」