David Bowie / The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars
デフ・レパード(Def Leppard)の
ジョー・エリオット(Joe Elliott)にとって、
デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の『The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars(邦題:ジギー・スターダスト)』は歴代2位のアルバムだという。エリオットは人生を変えたこのアルバムについて英Classic Rock誌のインタビューの中で語っています。
彼の個人的なトップ20に入る他のアルバムはどれも行ったり来たりしていますが、『ジギー・スターダスト』は決して離れることはないとのこと。
「このアルバムについて同じように感じている人を3人紹介しよう。俺、カルチャー・クラブのボーイ・ジョージ、そしてザ・スミスのモリッシーだ。他に共通点があるとは思えないけど、ジギーは...俺らの人生を変えたんだ」。
エリオットは、同じような年代の人には馴染のある話だというエピソードを語っています。
「12歳の時、ベッドに仰向けに寝て、『ジギー・スターダスト』を聴きながら、ジャケットのブライアン・ワードの写真を見つめていたんだ。
“K.WEST”の看板、電話ボックス、象徴的な写真だよね。日本から子供たちが、あの看板の下で写真を撮るために来ていた。この写真を撮るのに、あまり考えも時間もかかっていないように見えるけど、ジギーはそう聴こえる。そうそうあることではないよね」
エリオットは、このアルバムに参加していたトレヴァー・ボルダー(ベース)、ウッディ・ウッドマンジー(ドラム)とは、デフ・レパードのフィル・コレンと共にサイバーノーツというバンドでコラボレートしていました。
「トレヴァー(ボルダー/ベース)とウッディ(ウッドマンジー/ドラム)にはアルバムについて話をしたよ。ボウイは彼らに特別な演奏をさせることはせず、好きなように演奏させたんだ。アルバムは全部で5日かかった。たった5日間だよ。しかも、『Hunky Dory』が完成した後、発売(1971年12月)される前に作ったんだ。
12歳にとって、1年というのは長い時間だ。
1971年、(マーク)ボランは俺にとってのすべてだった。そして1972年、ボウイが彼を2位にした。ボランには素晴らしいシングルがいくつかあったけど、彼のアルバムはそれほど強力ではなかった。ジギーは今まで聴いた中で最も強烈なものだったんだ。
非常に暗い内容が含まれていた。ジギーは、俺たちの未来について、俺たちの知らないことを語っていた。(英国のジャーナリスト)レジナルド・ボサンケがテレビでニュースを読んでいても、隣の部屋でジギーを聴いているから聞こえなかった。炭鉱労働者のストライキや燃料不足など、今後予想されていたことはすべて、ボウイが教えてくれるまで俺たちは何も知らなかったんだ。とはいえ、このアルバムは基本的にポジティブなものなんだけどね。
この曲順はとても奇妙なんだよ。“Five Years”という非常にネガティブな曲から始まる。それはおかしい、明るく始めたいと思うのが普通だ。彼がそれを意図していたのか、トラックリストを知らなかったのか、あるいは気にしていなかったのか、俺にはわからない。でも、ボウイはとても賢いので、もしかしたら本心からそうしたののかもしれない。
あのアルバムで10点満点中10点以下になりそうなのは“It Ain't Easy”だけだ。それ以外はすべては彼自身の作品、彼自身の言葉、彼自身のメッセージなのに、突然カヴァーが登場するんだ。特にボウイのように言いたいことがたくさんある人が、なぜそんなことをするのかわからないよ」
当時も今も、ジギーから受け継いだものをひとつ挙げるよう求められたエリオットは、それは「変化の概念」だと答えています。
「長年にわたって変化しなかったバンドは、AC/DCとエアロスミスだけだ。エアロスミスは少し変わったけど、全体的に見れば彼らのサウンドは、彼らが始めたときと今も同じだ。
他のみんなは変わる。スティングはアルバムごとに少しずつ、俺ら(レパード)はある程度の変化がある。でもボウイの場合は、毎回最低でも360度変わっている。俺は自分がオープンマインドな人間だと思いたいし、そういう変化を受け入れることが大切なんだ」
ジギーは信じられないほど安上がりのアルバムだけど、信じられないほど重要なアルバムだった。次に宇宙へ行くときは、チャック・ベリーではなく、ジギーが宇宙船に乗らなければならない」