セックス・ピストルズ(Sex Pistols)の
スティーヴ・ジョーンズ(Steve Jones)は1973年、
デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の象徴的なライヴを見に行った後、ステージに残された機材を盗んで、自分の最初のバンドで使ったことを回想し、後にボウイ本人に話した時の彼の反応についても語っています。
ジョーンズは英ラジオ番組『My Planet Rocks』の中で、この窃盗行為について話しています。事件は1973年7月にロンドンのハマースミス・オデオンでボウイのライヴを見た後に起こりました。このライヴは「Ziggy Stardust Tour」の最終公演で、ザ・スパイダー・フロム・マーズを率いての最後の公演でした。
「デヴィッド・ボウイを観たよ、そう、ハマースミス・オデオンでね。ザ・スパイダース・フロム・マーズの大ファンで、彼らの2枚のアルバム、『Aladdin Sane』(1973年)と『The Rise and Fall of Ziggy Stardust』(1972年)は、とても良かった。
初日が終わると、機材はすべてセットされたままで、みんな帰ってしまったんだ。俺はそこにいた。帰らなかったんだ。ミニバンを手に入れて戻って来て、ステージにあるものを自分のものにしようと思ったんだ。消えたものは、(スパイダースのベーシスト)トレヴァー・ボルダーのSunnアンプと、(スパイダースのドラマー)ウッディ・ウッドマンジーのシンバル、そしてたくさんのマイクだ。ボウイのマイクは口紅のついた小さなエレクトロ・ヴォイスだった。
ウッディ・ウッドマンジーには償いをしたんだ。彼は俺の番組に出演し、俺が彼のシンバルを盗んだことを直接話し、どうしたらいいかと尋ねたんだ。それで、確か300ポンドくらい渡したんだけど、彼は喜んでたよ」
盗んだ機材はジョーンズの最初のバンドで後にセックス・ピストルズとなるザ・ストランド(後にスワンカーズ)がライヴを始めた時に有効活用されたようです。
ボウイ本人に盗難のことを話したことがあるかと尋ねると、ジョーンズはこう答えています。
「ボウイにも話したよ。彼はあまり気にしていないようだった。笑っていたような気がする。俺の記憶では、確か電話だった。そう、何かの電話だった。
もちろん、(盗んだ機材の)一部は後になって役に立ったよ。ポール(クック、セックス・ピストルズのドラマー)のドラムセット、ウォーリー(ナイチンゲール、ザ・ストランドのギタリスト)のギター、そして初期のライヴで使ったPA機材は全部盗んだものだったんだよ」