2013年に発表した前作『アフターショック』で、再び世界中で成功を収めた彼らが、長年のパートナーでもあるプロデューサー、キャメロン・ウェブと共に制作したこの最新作『バッド・マジック』は、レミー・キルミスター、フィル・キャンベル(g)、ミッキー・ディー(ds)のトリオ編成となって以来初めてスタジオで3人そろって楽曲を書きあげ、スタジオに入ってレコーディングをした作品だ。そのため、ここ20年の間に彼らが発表してきたどの作品よりも生々しいライヴ感が全編を支配し、今まで以上に力強く、激しく、ラウドで、妥協のない強靱さに満ちた、とんでもなくヘヴィな作品に仕上がっている。まるで大きなトレーラーが突進してくるかのような「サンダー・アンド・ライトニング」や、アルバムの中でも特別ラウドな「ティーチ・ゼム・ハウ・トゥ・ブリード」などを聴けば、彼らの変わることのない「モーターサウンド」とも言うべきロックンロールを今もなお吐き出し続けていることは一目瞭然だ。また、今作にはローリング・ストーンズの名曲「悪魔を憐れむ歌(原題: Sympathy For The Devil)」のカヴァー曲や、バラード曲となる「アンティル・ジ・エンド」を収録しており、中期以降のモーターヘッドの作品においても最も素晴らしい作品だと言えるだろう。
●『Bad Magic』
01. Victory Or Die 02. Thunder & Lightning 03. Fire Storm Hotel 04. Shoot Out All Of Your Lights 05. The Devil 06. Electricity 07. Evil Eye 08. Teach Them How To Bleed 09. Till The End 10. Tell Me Who To Kill 11. Choking On Your Screams 12. When The Sky Comes Looking For You 13. Sympathy For The Devil (THE ROLLING STONES cover)