『Professor of Rock』は、
デヴィッド・クロスビー(David Crosby) の生前のインタビューを公開し、
ザ・バーズ(The Byrds) がコロムビア・レコードと契約するうえで、クロスビーのヒーローだった
マイルス・デイヴィス(Miles Davis) が重要な役割を果たしていたこと、そしてマイルスが
クロスビー、スティルス&ナッシュ(Crosby, Stills, & Nash) の「Guinnevere」をカヴァーした時、正直あまり嬉しくなかったことを語っています。
「マイルスについて知っておくべきことがある。たぶん他の誰も知らない話だと思う。僕らが最初にコロムビア(レコード)と契約しようとしていたとき、デモを作った。マイルスはコロムビアと契約していて、彼らは彼に意見を求めたんだよ。レコード会社の連中は、靴のセールスマンみたいなもので、音楽のことなんて何も分かっていなかった。だから彼にこう聞いたんだよ。“マイルス、これについてどう思う? 彼らと契約すべきだと思うか?”って。僕らがコロムビアに所属できた理由は、マイルスなんだ。彼が“契約しろ”と言ってくれた。僕がそれを知ったのはずっと後になってからだけど、彼が僕らの音楽を気に入って、いち早く耳を傾けてくれたことを光栄に思うよ」
「こんなことがあった。マイルスがニューヨークのヴィレッジ・ゲートで僕のところに来て、“お前がクロスビーか?”って言ったんだ。僕は“はい、そうです!”と答えると、彼は“俺はマイルスだ”と言うから、“もちろん知ってます”ってね。僕はもう必死に平静を保ったよ。だって彼はヒーローだからね。当時の僕は『Sketches of Spain』を、たぶん千回は聴いていたと思う。
それで彼はこう言った。“お前の曲をやったぞ”って。僕は“えっ?”って。“お前の曲をやった”って言うんだよ。“どの曲を?”と聞いたら、“Guinnevereだ”と。僕は心の中で“Guinnevereを彼がどうやるんだ?”って考えていた。すると彼が“聴きたいか?”と言うので、僕は“もちろん聴きたい”と答えた。すると彼が“あの車について来い”っと言って、脚がここまであるような女性と一緒にフェラーリに乗り込んで走り出した。それから家に着いて中に入り、彼が曲をかけたんだけど……そこには“Guinnevere”の面影がどこにも残っていなかったんだ。
“Guinnevere”だなんて分かりっこない。同じメロディーじゃないし、同じコードでもないし、チューニングだって違う。“Guinnevere”と気づかせる要素が何一つないんだ。もし彼がそれを“Guinnevere”と呼ばなかったら、絶対に結びつけることはできなかっただろうね。それが彼の狙いだった……。変わった拍子も使っていてね……。だから僕は何も言わなかった。正直、全然うれしくなかったよ。あの最初の件では、僕たちはうまく噛み合わなかった」
それから数十年を経て、クロスビーは最終的にそのマイルス・デイヴィスによるカヴァーに対する考えを変えました。2017年、彼は次のように
投稿 しています。
「ついに……長いあいだ理解できずにいたけれど……マイルスと彼のバンドが演奏する“Guinevere”を聴いて……理解した……曲が自分のペースで展開されるまで、じっくり聴き続けた。そして二つの心――そのうち一つはすでにこの世を去っているけれど――が、あの広大な空間と時間を越えて、ひとすじのつながりを残したんだ」
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