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デヴィッド・ボウイ『Outside』のきっかけ ボウイとイーノがインスピレーションを求めて訪れたウィーン近郊の精神科病院 写真が初公開

2026/01/15 13:54掲載
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David Bowie / 1. Outside
David Bowie / 1. Outside
1994年、新たな音楽制作のために再結集したデヴィッド・ボウイ(David Bowie)ブライアン・イーノ(Brian Eno)がインスピレーションを求めて訪れたのは、オーストリアのウィーン近郊にあるマリア・グギング精神科病院でした。そこには「アウトサイダー・アート」の作家たちが共同生活をする「芸術家の家」があります。この経験がボウイの次のアルバムのタイトル『1.Outside』の由来となり、また同アルバムのコンセプトのきっかけとなりました。

当日、ボウイが「芸術家の家」のアウトサイダー・アーティストと交流する姿を、著名なオーストリア人写真家クリスティーネ・ド・グランシが記録していました。約30年間眠っていた写真がオーストラリアの展示会で初公開されることになり、英ガーディアン紙では、この訪問を特集し、写真の一部と当時の逸話を紹介しています。

ボウイは1995年に音楽ジャーナリストのジーン・スタウトに、この訪問で出会ったアウトサイダー・アーティストたちについて「彼らは批評めいた感情をいっさい持たずに描いている。感じたものをそのまま描いているんだよ」と話していました。また「この場所の驚くほど、どこか冷たい雰囲気は圧倒的なんだ。彼らの棟に行くには、まず普通の精神病院の前を車で通り過ぎなきゃならない。彼らの棟は完全にペンキで覆われている。彼らは隅々まで、壁も外の木々も、立っていて動かないものすべてを塗りつぶしていたよ」と話していました。

ボウイとイーノは、『1.Outside』の制作のためにスタジオへ戻ったとき、「芸術家の家」の自発性と自由さを再現しようとしたという。

ボウイは後に、最初にやったことは「ミュージシャン全員を集めて、スタジオの模様替えをさせることだった」と振り返っています。リハーサルスペースを「芸術家の家」の壁画のようなものに変えたと回想しています。

「彼らはその作業に夢中になり、音楽に取り掛かるのが大変だった。でも、そのおかげで、作品全体に遊び心のような感覚が生まれ、それは真の表現の自由の一部となったんだ」とボウイは振り返っていました。

展示会のタイトルは『A Day with David』。ジュンダルップ・フェスティバルの一環として、3月7日からオーストラリアのジューンダラップにあるアート ギャラリー「Joondalup Contemporary Art Gallery」で開催されます。


ボウイが訪れた日のクリニックの患者たち Photograph: Christine de Grancy