XTC『Black Sea』のジャケット・カヴァーも、イギリスの画家ケン・ホワイト死去

XTCの1980年アルバム『Black Sea』のジャケット・カヴァーに使われた絵画や、ヴァージン・アトランティック航空の機体に描かれた「スカーレット・レディ」のロゴなどを描いたことでも知られる、イギリスの画家／イラストレーターのケン・ホワイトが死去。家族が発表。82歳でした。

以下、家族の声明より

「深い悲しみと共に、父ケンが今朝（12月24日）未明、GWHで安らかに永眠したことをお知らせいたします。呼吸の状態が悪化したため木曜日（12月18日）に入院し、その後、数日の治療にも反応が得られませんでした。最期まで、愛する家族がそばに付き添っていました。愛を込めて、ローラ、エイサ、ジョエルより」

訃報を受け、元XTCのテリー・チェンバーズが追悼コメントを発表しています。

「XTCのアルバム『Black Sea』のアーティスト、ケン・ホワイトの逝去の報に接し、深い悲しみを覚えます。ご家族とご友人の方々に哀悼の意を表します」

ケン・ホワイトはイギリスの壁画家、画家、イラストレーター。1943年3月23日にウィルトシャー州スウィンドンで生まれる。

彼のキャリアは、1970年代のイギリスのカルト音楽紙『Cream』などカウンターカルチャー雑誌の表紙をデザインしたことから始まった。

ホワイトはイギリス国内の様々なクライアントのために100点以上の壁画を制作した。

1978年、ホワイトはリチャード・ブランソンのタウンハウス・レコーディング・スタジオの外壁に壁画を描き、その後20年間にわたり、ブランソンのヴァージン系列企業（音楽レーベルのヴァージン・レコード、レコード店、ホテル、航空会社ヴァージン・アトランティックなど）のために、優先的にサービスを提供する顧問契約を結んで働いた。

レーベルのためには、セックス・ピストルズ『The Great Rock 'n' Roll Swindle』やマイク・オールドフィールドの『Incantations』など、リリース作品を宣伝する壁画を描いた。

ホワイトは1984年、ヴァージン・アトランティック航空の「スカーレット・レディ」のロゴをデザインした。

ホワイトはXTCの1980年アルバム『Black Sea』のジャケット・カヴァーのための絵画を依頼された。ジャケット・カヴァーには、アンティークのダイビングスーツを着たバンド・メンバーの写真が掲載されており、その後ろにホワイトの絵画が使われている。この絵画はアンディ・パートリッジのスケッチに基づいて描かれたもので、飛んでいる海鳥、船のマスト、そして欠けていく月が「XTC」の文字を綴っている。