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シン・リジィのエリック・ベル、「Whiskey in the Jar」のメタリカ版のことをどう思っていたのか語る

2025/12/02 18:58掲載
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Thin Lizzy perform at London's Marquee Club, November 13, 1973 (Image credit: Michael Putland/Getty Images)
Thin Lizzy perform at London's Marquee Club, November 13, 1973 (Image credit: Michael Putland/Getty Images)
シン・リジィ(Thin Lizzy)は、アイルランドの伝統歌である「Whiskey in the Jar」をロック曲として再構築して1970年代にリリースしました。象徴的なギターソロでロック曲へと変貌させたギタリスト、エリック・ベル(Eric Bell)は、後にこの曲をカヴァーしたメタリカ(Metallica)のヴァージョンのことをどう思っていたのか? 米Guitar Worldの新しいインタビューの中で、語っています。

「メタリカのことは何も知らなかった。正直、ああいう音楽はあまり好きじゃないから。でも面白いことに、彼らから連絡が来たんだよ。彼らのスタッフの一人が電話をかけてきて、“メタリカと仕事をしている者です。いまワールドツアー中なんですが、ダブリン公演で一緒にWhiskey in the Jarをやっていただけたら嬉しいです”と言われたんだよ。

“詳しい話をメールで送ってもらえる?”と返すと、彼は“メタリカのWhiskey in the Jarは聴いたことありますか?”と聞き返してきたので、俺は“ないよ”と答えると、彼は“どこの惑星に住んでるんです?”と言うから、俺は“木星だ”と返したよ(笑)。でその二日後くらいにバイク便がやって来て、メタリカが“Whiskey in the Jar”を演奏しているレコードやカセット、DVDを何本も持ってきてくれたんだ。

(気に入った?)

まあまあだね。ダブリンに着いてから驚いたのは、俺がマーシャルのアンプで試していたら、メタリカの連中がまるでアニメみたいに現れたんだよ。奴らは“俺たちはこれやるとき、ギターを全音下げてチューニングしているんだ””って言っていた。俺は“全音? そんなことしたらギターがクソみたいなバンジョーの音になるだろ…”って思ったよ。まあ、よくわからなかった。当時は彼らのことは全然知らなかったからね。

(メタリカとの共演は楽しめましたか?)

いや。まあ、悪くはなかったけど、ただ、ちょっと場違いな感じがした。特に、俺のギターはレギュラーチューニングのままで、みんながGでやっているところをFで合わせて弾いていたからね。全音下げなかったせいで、そのことばかり頭にあった。Fで弾くのはやっぱり難しかったから、もしまたチャンスがあれば、今度は下げて弾くよ」

Q:フィル・ライノットはよく、シン・リジィの歴代ギタリストの中で、あなたのように「Whiskey in the Jar」を演奏できる人はいないと言っていました。なぜだと思いますか?

「正直に言うと、それは誰にでも当てはまると思うよ。例えば曲からリンゴ・スターのドラムだけを抜き出して、別のドラマーに叩いてもらっても、どれだけ頑張っても同じフィーリングにはならない。

“Whiskey in the Jar”を弾くときには、ちょっとしたニュアンスがあるんだよ。俺が作り上げた曲だからね。俺のオリジナルのアイデアだからさ。ほかの誰かが弾くと、たとえすごく近いところまで行っても、まったく同じにはならない。実際、とても近い人はいるけれど、俺がやっている細かなところまでは同じじゃないんだ」