The Rolling Stones / Black And Blue
ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones) が1976年にリリースしたアルバム『Black And Blue』。スーパー・デラックス・エディションの発売にあわせ、本作から正式にストーンズのアルバムに参加した
ロニー・ウッド(Ronnie Wood) が英Uncut誌の新しいインタビューの中で当時を振り返っています。
「忘れないで欲しいんだけど、俺のギターがストーンズのアルバムに初めて登場したのはこれじゃないんだ。『It's Only Rock'n Roll』で(12弦アコースティックギター・パートを)キース(リチャーズ)が消し忘れたからね!
今気づいたんだけど、アルバムには8曲しか入ってないんだね。でもどれも傑作ばかりだろ? お気に入りの一つは“Hey Negrita”だ。スタジオで最初に録音を終えて“よし、これでいこう”って言った曲。そしたらチャーリー(ワッツ)が“知り合って5分なのに、もう仕切り始めてるよ”と言ったんだよ。それがスタジオでの、メンバーたちへの俺のクラシックとなった自己紹介だった。たぶん“インスピレーション・バイ”みたいなクレジットをもらったと思う。裏口から苦労して入り込んだって感じさ。俺が書かなかったのは歌詞だけ。“ああ、作曲クレジットに名を連ねるのは可能なんだ”って思ってね。その後は何度もクレジットに載ってるよ。
俺が(ミュンヘンのミュージックランド・スタジオに)呼ばれたとき、彼らは(ロッテルダムでのセッションで)半分くらいをすでに終えていた。だから、ハーヴェイ・マンデルとウェイン・パーキンスはすでに参加していたんだ。ハーヴェイは“Hot Stuff”に、ウェインは“Hand Of Fate”にね。素晴らしいプレイヤーたちだよ。俺はこの50年間、ライヴでそれらの曲をやるたびに、彼らに敬意を表しようとしてきた。ミック・テイラーやブライアン・ジョーンズもそうであるように、ギタリストたちが残した功績に敬意を払う、俺にとってはいつも良い学びの機会なんだ。そして彼らの伝説を継承しつつ、そこに俺自身の個性を加えていきたいと思っているよ。
(インタビュアー:ストーンズの内輪にいることと、実際にバンドのメンバーであることとは、大きな違いがあったでしょうか?)
そうだね。(これがまさに)あのチーム、サーカスの一員になる始まりだった。キースがこう言ったんだ。“いい考えがある。お前がバンドに入ったことを誰にも言わないでおこう”って。最高だよ、ありがとう、キース! 俺は、じわじわ浸透するみたいに入り込んだんだ。正式な発表は一度もなかったから、20年後になっても俺は新入りのままだったんだよ。
(インタビュアー:これらのセッションの間、常設の仕事を得るために他のプレイヤーと競っているという感覚はありましたか?)
俺はただストーンズだけを見ていた。“ここは俺がいるべき場所だ。すべて予定どおりに進んでいる”とね。他の誰かなんて目に入らなかった。俺が最初に仲間に加わったときの原動力はビリー・プレストンだった。彼の心に響くピアノとエレクトリックピアノの演奏、そして歌声は感動的だった。俺らはすごく波長が合って、“Crazy Mama”でのあのソロデュエットなんかがまさにそう。あれはお気に入りの一つだよ」
スーパー・デラックス・エディションのデジタル版はYouTubeほかで聴けます
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