HOME > ニュース >

【追悼】キッスのエース・フレーリー 2024年末に「COLD GIN」「STRANGE WAYS」「ROCKET RIDE」「NEW YORK GROOVE」「RIP IT OUT」を回想

2025/10/17 17:52掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
Ace Frehley / Ace Frehley
Ace Frehley / Ace Frehley
キッス(KISS)のオリジナル・ギタリスト、エース・フレーリー(Ace Frehley)は2024年12月、米Guitar Playerのインタビューの中で、キッス時代&1stソロアルバムの名曲5曲について振り返っていました。

5曲を語る前に、フレーリーはこう話していました。

「こんなにも多くの人の人生に影響を与えると分かっていたら、もう少し練習していたかもしれない。たくさんの素晴らしいギタリストたちに影響を与えられたことは、誇らしいし本当にうれしいよ。名前を挙げきれないほど多くの人たちの中には、友だちになった人もいる。最近はジョン5のライヴを見に行ったんだけど、彼が15歳のときに俺に会ったときの写真を見せてくれてね、歳を取ったなって感じたよ! でも今の彼を見てごらんよ。彼は本当に素晴らしいギタリストだし、今やモトリー・クルーでも弾いているんだ!」

■“COLD GIN” (1974)

「この曲を書いたのは20代前半の頃で、キッスのリハーサルに向かう途中にニューヨークの地下鉄で思いついた。メインのリフが頭に浮かんで、リハーサルに着いたらバンドの連中に聴かせたんだ。ポール、ジーン、ピーターが“これはいい曲になりそうだ”と言ってくれたから、そこからさらに練り上げて歌詞を書いた。そうしていたら、いつの間にかキッスの名曲が完成していたんだ!

使ったのは、マンニーズ・ミュージックで買ったギブソン・レスポール・スタンダードの『ハニーバースト』。買ってから数年しか経っていなかったと思う。それを100ワットのJMPスーパーリード・マーシャルに接続した。俺のキャリアはほとんど、スタジオではレスポールとマーシャルだ。フェンダーやダンエレクトロ、アコースティックを使うこともあったが、ベーシックトラックを録るときはいつもレスポールだった。たぶんこれはワンテイクだったと思う。正確には覚えていない。もう40年以上前のことだからね」



■“STRANGE WAYS” (1974)

「俺の大好きなギターソロの一つだ。初期モデルのMCIオートメーション・コンソールで録音した。レスポールとマーシャル・スタックをセットアップし、ベーシックトラックを録り終えたら、ベースに持ち替えてベースパートとヴォーカルをいくつか録音した。それで、いざギターソロを録ろうって段階になったんだけど、思ったような音が出なくてね。もっとフィードバックが欲しかったのに、機材の内部的な問題があって、うまくいかなかった。だからエンジニアに言ったんだ。“マーシャル・スタックの前に出て、真正面に立ってソロを弾く”って。で、スタックの前に立って、ワンテイクでソロを録音した。そのソロがそのまま採用されたんだ」



■“ROCKET RIDE” (1977)

「これについてはあまり覚えていない。たぶんいつものレスポールとマーシャルの組み合わせだったと思う。ぼんやりだけど、Voxのワウも使った気がする。古いモデルのやつだ。現場で思いつくままにやっただけさ。音楽をちゃんと学んだわけじゃないから、基本的にソロはほとんど考えずに弾いていた。

いまはPro Toolsがあるから、ずっと楽になった。複数テイクのソロを録って、つなぎ合わせればいい。6つくらいソロを弾いて、あるときは一つ目の前半、別の真ん中、さらに別の後半を取ってまとめたり、逆に一つのソロを最初から最後まで使うこともある。何がどう起きるかに理屈はない。弾くときに考えないから、ただ弾いてるだけなんだ。いまもこの曲はライヴで演奏している。セットの定番なんだ」



■“NEW YORK GROOVE” (1978) ソロ曲

「正直に言うと、この曲は本当はレコーディングしたくなかった。もともとはハローっていうイギリスのグラム・ロック・バンドが録音した曲で、プロデューサーのエディ・クレイマーが俺に紹介してくれた。彼は何度も“エース、この曲は絶対録るべきだ”って言い続けて、俺は“ほかの曲と何の関係もないと思う”って言い続けてた。でもコネチカットでアルバムの大半を録音した後、オーバーダブとヴォーカルをやるためにマンハッタンへ行った時、最終的に彼に説得されてやることになったんだ。

“NEW YORK GROOVE”はプラザ・サウンド・スタジオで録音したんだけど、結果的に俺の最大のヒット曲になった! まさかだよ。使ったのはサンバーストの‘59年製レス・ポールで、今はもう持っていない。ギターショップで買ったんだけど、かなり色褪せてたけど、すごくいいギターだった。ギブソンは数年前にそのコピーモデルを出していた。オリジナルを持っている人を見つけて、熟成されたヴァージョンと通常のヴァージョンの両方を作ったんだ」



■“RIP IT OUT” (1978) ソロ曲

「これは『Rock and Roll Over』(1976年)より前に書いた曲なんだ。あのアルバム用に用意していたんだけど、『Rock and Roll Over』の後にソロアルバムを出す予定だったから、取っておくことにした。実際、いくつかいい曲をキープして、ソロ用に温存しておいたんだ。

ソロが成功したあと、ポールやジーン、ピーターと一緒にいるときより、離れているほうが自分は創造的でいられることに気づいた。だから、いずれは脱退して自分のバンドを組むことになるのは必然だったんだ。加えて、アルコールやドラッグの問題もあったので、辞めたあとはしばらく足踏み状態だった。でも頭のネジを締め直してからは、バンドを結成して、メガフォース・レコーズから、Frehley’s Cometの1stアルバムを出した。まあ、それはまた別の話だね」