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50年以上前に盗まれたストーンズのギターがメトロポリタン美術館で発見されたという報道について美術館側はこのストーリーを否定 しかし論争はまだ続く

2025/08/02 21:21掲載
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Keith Richards onstage in 1964 with the guitar stolen in 1972 (Image credit:  David Redfern/Redferns)
Keith Richards onstage in 1964 with the guitar stolen in 1972 (Image credit: David Redfern/Redferns)
ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)ミック・テイラー(Mick Taylor)キース・リチャーズ(Keith Richards)から購入し、1972年アルバム『Exile on Main St.』で使用していたが、同アルバムのレコーディング中に盗まれた1959年製サンバースト・ギブソン・レス・ポール・スタンダードが、ニューヨークのメトロポリタン美術館で発見されたという報道が7月にありましたが、メトロポリタン美術館は新たにこのストーリーを否定しています。しかし、論争はまだ続いています。

この1959年製サンバースト・ギブソン・レス・ポール・スタンダードは、1964年にローリング・ストーンズが歴史的な『エド・サリバン・ショー』に出演した際にリチャーズが演奏しました。

テイラーと、テイラーのビジネスマネージャーであるマーリーズ・ダミングによると、このギターはその後、ストーンズ加入前のテイラーが購入。テイラーは購入後にジョン・メイオール&ブルースブレイカーズに加入し、その後、ストーンズに加入しました。テイラーは1969年末に開催されたストーンズのオルタモント・フリーコンサートでもこのギターを使用していました。

歴史的なエレクトリックギターとアコースティックギターを何十年もかけて密かに収集してきたコレクターのダーク・ジフは同美術館に500本のギターコレクションを寄贈しました(詳しくはこちら)。

ダミングは2025年7月、そのうちの1本が実際にはテイラーの所有物で、盗難品であると主張しました。「ミック・テイラーがこのレスポールを演奏している写真は多数存在します。彼のメインギターだったのですが、ある時忽然と姿を消したのです」とダミングは語っていました。

しかし、メトロポリタン美術館は現在、テイラーの主張を否定し、テイラーはこのギターを演奏したことはあるものの、実際に所有していたわけではないと述べています。また、メトロポリタン美術館は、1971年まで、このギターを実際に所有していたのはリチャーズだったと主張しています。

しかし、2013年に刊行されたストーンズの楽器集『Rolling Stones Gear』の著者アンディ・バビウクは、論争の対象となっているこのギターは1971年に盗まれた8本のギターの1本だったと指摘しています。この主張はメトロポリタン美術館は否定しています。

メトロポリタン美術館が発表したこのギターについての歴史には、いくつかの空白があります。1971年時の所有者としてエイドリアン・ミラーが記載されていますが、彼がどのようにこのギターを手に入れたのかは示されていません。ミラーは1971年にヘヴィメタル・キッズのコスモ・ヴェリコにこのギターを売却しましたが、ニューヨーク・タイムズの取材に、ヴェリコは「ミラーがどのようにギターを手に入れたのかは覚えていない」と述べています。

その後の所有者がすべて記載されており、それに加えて、2004年にオークションで売却しようとしたことも記載されています。入札は希望価格に達しませんでしたが、ギターは2006年にスウェーデンの音楽プロデューサー、ピーター・スヴェンソンに購入され、その10年後にダーク・ジフがこのギターを取得しました。

2019年にはメトロポリタン美術館の展覧会に展示されましたが、その際、テイラーや彼のチームからの主張はなかったという。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、ダミングは「メトロポリタン美術館にギターを提供していただき、検査して真贋を確認したい」と考えているという。