
Keith Richards onstage in 1964 with the guitar stolen in 1972 (Image credit: David Redfern/Redferns)
元
ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の
ミック・テイラー(Mick Taylor)が
キース・リチャーズ(Keith Richards)から購入し、1972年アルバム『Exile on Main St.』で使用していたが、同アルバムのレコーディング中に盗まれた1959年製サンバースト・ギブソン・レス・ポール・スタンダードが、ニューヨークのメトロポリタン美術館で発見されたという報道が7月にありましたが、メトロポリタン美術館は新たにこのストーリーを否定しています。しかし、論争はまだ続いています。
この1959年製サンバースト・ギブソン・レス・ポール・スタンダードは、1964年にローリング・ストーンズが歴史的な『エド・サリバン・ショー』に出演した際にリチャーズが演奏しました。
テイラーと、テイラーのビジネスマネージャーであるマーリーズ・ダミングによると、このギターはその後、ストーンズ加入前のテイラーが購入。テイラーは購入後にジョン・メイオール&ブルースブレイカーズに加入し、その後、ストーンズに加入しました。テイラーは1969年末に開催されたストーンズのオルタモント・フリーコンサートでもこのギターを使用していました。
歴史的なエレクトリックギターとアコースティックギターを何十年もかけて密かに収集してきたコレクターのダーク・ジフは同美術館に500本のギターコレクションを寄贈しました(詳しくは
こちら)。
ダミングは2025年7月、そのうちの1本が実際にはテイラーの所有物で、盗難品であると主張しました。「ミック・テイラーがこのレスポールを演奏している写真は多数存在します。彼のメインギターだったのですが、ある時忽然と姿を消したのです」とダミングは語っていました。
しかし、メトロポリタン美術館は現在、テイラーの主張を否定し、テイラーはこのギターを演奏したことはあるものの、実際に所有していたわけではないと述べています。また、メトロポリタン美術館は、1971年まで、このギターを実際に所有していたのはリチャーズだったと主張しています。
しかし、2013年に刊行されたストーンズの楽器集『Rolling Stones Gear』の著者アンディ・バビウクは、論争の対象となっているこのギターは1971年に盗まれた8本のギターの1本だったと指摘しています。この主張はメトロポリタン美術館は否定しています。
メトロポリタン美術館が発表したこのギターについての歴史には、いくつかの空白があります。1971年時の所有者としてエイドリアン・ミラーが記載されていますが、彼がどのようにこのギターを手に入れたのかは示されていません。ミラーは1971年にヘヴィメタル・キッズのコスモ・ヴェリコにこのギターを売却しましたが、ニューヨーク・タイムズの取材に、ヴェリコは「ミラーがどのようにギターを手に入れたのかは覚えていない」と述べています。
その後の所有者がすべて記載されており、それに加えて、2004年にオークションで売却しようとしたことも記載されています。入札は希望価格に達しませんでしたが、ギターは2006年にスウェーデンの音楽プロデューサー、ピーター・スヴェンソンに購入され、その10年後にダーク・ジフがこのギターを取得しました。
2019年にはメトロポリタン美術館の展覧会に展示されましたが、その際、テイラーや彼のチームからの主張はなかったという。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、ダミングは「メトロポリタン美術館にギターを提供していただき、検査して真贋を確認したい」と考えているという。