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クイーンの輝ける70年代を支えた男が綴る狂瀾怒濤の日々 書籍『絢爛のロックショー、クイーン追想録 〜二代目ディレクターの独白〜』詳細発表

2025/08/01 18:00掲載
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絢爛のロックショー、クイーン追想録 〜二代目ディレクターの独白〜
絢爛のロックショー、クイーン追想録 〜二代目ディレクターの独白〜
クイーン(Queen)の輝ける70年代を支えた男が綴る狂瀾怒濤の日々。書籍『絢爛のロックショー、クイーン追想録 〜二代目ディレクターの独白〜』の詳細が発表されています。

■『絢爛のロックショー、クイーン追想録 〜二代目ディレクターの独白〜』
松林天平・著 

2025年9月5日(金)(フレディ・フォー・ア・デイ)に発売!!!
256ページ予定/税込2,500円/ISBN:978-4-401-65613-4

イギリスが誇る世界で最も成功したバンド、クイーン。著者の松林天平は彼らを1975年から1982年まで担当したディレクターで、日本における人気隆盛と維持に貢献した。本書は最もレコードが売れた1970年代、いわゆる洋楽の黄金時代に日本中を席巻したクイーン旋風を、その最前線で受け止めていたディレクターの視点から捉えた追想録である。

<CONTENTS(仮)>
01_イントロダクション
02_クイーンとの出逢い。いち音楽ファンとして聴いたクイーン。
  そのデビューから『シアー・ハート・アタック』まで。
03_洋楽ディレクター学ABC。その目線で分析したクイーン人気。
04_華麗なるロックン・ロールのショーマン=フレディ。
  「ボヘミアン・ラプソディ」の芸術。
05_ジョン・ディーコンの貢献。フレディとディスコ。
  初期から中期への音楽的変遷と成熟。
06_対談・70年代のロックとファッション:金子美雪
(英国ヴィンテージ・ファッション研究家/作家)
07_対談・ピアニストとしてのフレディ:難波弘之
 (作曲家・キーボーディスト/東京音楽大学客員教授)
08_私的ライナーノーツ『オペラ座の夜』
09_私的ライナーノーツ『華麗なるレース』
10_私的ライナーノーツ『世界に捧ぐ』
11_私的ライナーノーツ『ジャズ』
12_私的ライナーノーツ『クイーン・ライヴ・キラーズ』
13_私的ライナーノーツ『ザ・ゲーム』
14_私的ライナーノーツ『フラッシュ・ゴードン』
15_私的ライナーノーツ『クイーン・グレイテスト・ヒッツ』
16_私的ライナーノーツ『ホット・スペース』
17_最終楽章
18_ボーナス・トラック(あとがき)

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ありがとう、クイーン。私はクイーンに借りがある。
そして私には決して返せそうもない。
(17_最終楽章より)

本社ビルの目の前にある宝祥で五目焼きそばの出前を取り夕飯を済ませ、試聴室で深夜までかかってアドバンス・シートを書き上げた。結局このアルバムの邦題は『オペラ座の夜』とした。エレクトラから届いた英文資料を読んだ時から、邦題は『オペラ座の夜』でいこうと決めていたのだが、「オペラ座」とすると、どうも「オペラ座=パリ」と特定する印象が強くなるので、もっと一般的なイメージの方がいいのではと考え直した。そして『オペラ劇場の夜』と変えて折田さんに提出しつつ、念のため「オペラ座」の件も一応説明した。すると「『オペラ座の夜』がいいよ。こっちの方が言いやすいだろ」とのことで、こちらとしては上司がそう言うなら元に戻すだけなので異存はない。「言いやすい」というのも邦題を付ける際の重要なポイントなのだと、この時に学んだ。
(08_私的ライナーノーツ『オペラ座の夜』より)

のちの「愛という名の欲望」を聴けば明らかなように、フレディの音楽にはエルヴィスからの影響もあるし、ロックがその音楽の骨格になっているのは間違いない。だがフレディの音楽の原点にはラフマニノフやライザ・ミネリやマルクス兄弟やオペラも潜んでいる……こんなロック・アーティストはいない。だからこそ彼の音楽は、レトロかつ華麗なヨーロッパ文化の香りを咀嚼した知性とエレガンスを纏っているのである。そこが作詞作曲家としてのフレディ・マーキュリーの、誰とも比較できない才能とセンスなのだ。
(09_私的ライナーノーツ『華麗なるレース』より)

アルバム原題が『ニュース・オブ・ザ・ワールド』と知った時点から邦題は『世界に捧ぐ』にしようと決めていた。「伝説のチャンピオン」を聴いてシングルの大ヒットは間違いないと思っていたし、このアルバムが全米でのさらなる飛躍の鍵を握るに違いないと確信していたからだ。だから“ワールド”に引っ掛けて帯のコピーには“世界制覇目前”と入れたし、邦題も“世界”を使って、大袈裟かつ格調高いタイトルを考えるつもりだったのだ。
カタカナ表記にする気は最初から毛頭なかったし、サンプル盤が上がってきて、ロボットの絵にヴァーミリオンの帯で『世界に捧ぐ』の文字が重なるのを見た時は、商品としてインパクトを感じて満足したのを覚えている。今振り返ってみてもクイーンの仕事の中で、これが一番思い入れのある邦題かもしれない。
(10_私的ライナーノーツ『世界に捧ぐ』より)

クイーンの音楽には従来のロックが持つ粗野な印象とは異なるサムシングがあった。だから彼女たちの心に刺さり、それは単純に「いい曲」として捉えられたはずである。クイーンには「いい曲」がたくさんあったから、少女たちはクイーンを通してロックン・ロールの魅力を体験し、心を揺さぶられ転がされた。ロックし、ロールされたのである。
クイーンにはロック本来の魅力とも言える男くささや、力でねじ伏せるようなセクシーさは希薄だった。代わりにその楽曲の佇まいには、うっとりするような耳馴染みの良さと、ファンタジーや煌びやかさがあった。遠いヨーロッパの歴史ある街角へ誘うかのような、浪漫派の香りもあった。ハンサムな4人の青年たちと美しいロックは、イメージが完璧にシンクロしていたのである。
(18_ボーナス・トラック(あとがき)より)

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●出版記念トークイベント in 阿佐ヶ谷ロフトA
2025年9月7日(日) 12時半開場・13時半開演
チケット&詳細は https://x.gd/ntYx0

出演:松林天平
東郷かおる子(元ミュージック・ライフ編集長)
吉田聡志(クイーン・コンシェルジュ)

A5クリアファイル特典付
特別通販サイト予約受付中(数量限定)
https://queen2daimed.official.ec