
Vivian Campbell and Ronnie James Dio (Image credit: Ross Marino/Getty Images)
ヴィヴィアン・キャンベル(Vivian Campbell)は「dopeYEAH talk」の最近のインタビューの中で、
ディオ(Dio)時代を回想。
ロニー・ジェイムス・ディオ(Ronnie James Dio)との関係、ディオをトム・ジョーンズに例えて大失敗したこと、バック・ヴォーカルを歌いたいと言ったら「ギタリストは歌わないものだ」と、写真撮影の時に笑顔でいたら「笑うな」とディオから言われたこと、ディオからのクビは辛い経験だったことなどを語っています。
「ロニーはとても複雑な人物だった。よく“ロニーはどんな人だった?”と聞かれるけど、どんな人なのかを2、3文で表現することはできない。ロニーと僕は本当にうまくやっていた時期もあった。残念なことに、お互い衝突することも多々あった。でも彼が僕をとても誇りに思ってくれていたことはわかっていたよ」
キャンベルは、ヨーロッパツアー中にスカンジナビアのフェリーでディオと交わしたある夜の会話を思い出しました。
「僕たちは2人でデッキに立ち、髪を風になびかせながら海を眺めていた。すると彼はこう言った。“数週間前にオジー・オズボーンに会った。オジーと話したとき、君が俺のランディ・ローズだと言ったよ”。その瞬間、“わあ...”と思ったし、“よし、この人となら一緒にやっていける”と感じた。そこに自分の居場所があるように感じたんだ...次の日には“マジか、ロニー・ディオと一緒にバンドをやるんだ”と思ったよ」
しかしキャンベルは、特にディオの気質を考えると、バンド内での自分の立ち位置について、よく不安に思ったことを認めています。
「ロニーとの関係は難しかった。彼の気質は、とても熱かったり、とても冷たかったり、両極端だったからね。加えて、僕自身の立ち位置についての不安もあったので、この2つの要素が僕たちのコミュニケーションを難しくしていた。何度も言ってきたけど、それはまるで継父とバンドを組んでいるような感じだったんだ。文化的にも世代的にも奇妙な力学があった。その義父がたまたまロニー・ジェイムス・ディオだったということなんだけど、でも彼は僕に対して父親のような愛情を持ってくれていた。彼が僕をとても誇りに思っていることがよくわかっていたよ」
キャンベルは、ディオからの脱退は、自発的に脱退したわけではないと強調しています。
「僕はバンドをクビになった。でもロニーは何らかの理由で、その後何年もメディアで“ヴィヴがバンドを去った”と繰り返し強調していた。その記事を読んだのを覚えている。インターネットやSNS以前の時代で、公の場で発言するには広報担当が必要だった。だけど、僕にはそんな余裕がなかったんだ。僕はその記事を読んで“なぜ彼は僕が自らバンドを去ったと言うんだ?クビになったのに”と思ったよ。
僕はあのバンドを去りたいなんて思ったことはない。本当に100%を捧げていた...だから、このことは僕にとって非常に辛い経験であり、僕はそれをシャットダウンした。一切関わりたくなかった。また当時は音楽的にも創造性の新たな側面への扉が開きつつあると感じていた時期でもあったんだ」
キャンベルは、自身とディオの世界観の違いが誤解を生んだ事例を幾つか回想し、その一つは、ディオをトム・ジョーンズに例えたときのことでした。
「最初に僕が言ったのは“あなたはトム・ジョーンズを思い出させる”だった。あの力強さ、あの声の音色を持っていたから。侮辱するつもりはなかったんだけど、彼は良い受け取り方をしなかった...僕は“あなたは勇敢で男らしい、トム・ジョーンズを連想させる”と言ったら、彼の表情は...“あー、言わなきゃよかった!”と思ったよ(笑)」
もう一つはキャンベルがバック・ヴォーカルを歌いたいと言ったことでしたが、ディオはこれに強く反対しました。
「“バック・ヴォーカルを歌ってもいいですか?”と聞いた時の彼の反応はこうだった...“リッチー・ブラックモアは歌わなかった。トニー・アイオミも歌わなかった。歌ってはいけない。ギタリストは歌わないものだ”と。僕は“わかりました、二度と聞きません”と答えたけど、こうも考え始めた。“ロリー・ギャラガーは歌ったし、ジミ・ヘンドリックスも歌った。これらのギタリストは皆歌ってる”とね。でも彼にそんなことは言わなかったよ」
キャンベルは、ディオでの活動が終わりに近づいた頃、他の種類の音楽に興味を持ち始めたこと、そしてメタルに完全に没頭していなかったことが「不利に働いた」とも語っています。
「僕はメタルに100%打ち込んでいたわけじゃなかった。そうそう、バンドの最初の写真撮影の時の話だけど、僕は笑顔で立っていたら、ロニーに“笑うな。なぜ笑っている?”と言われたんだ。“嬉しいからさ!”と答えると、彼は“笑うな”と言っていた。ロニーは別の時代の人だった。70年代の、ヘヴィなヘヴィメタル (の世界) の人だったんだ」