
Keith Richards onstage in 1964 with the guitar stolen in 1972 (Image credit: David Redfern/Redferns)
元
ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の
ミック・テイラー(Mick Taylor)が
キース・リチャーズ(Keith Richards)から購入し、1972年アルバム『Exile on Main St.』で使用していたが、同アルバムのレコーディング中に盗まれた1959年製サンバースト・ギブソン・レス・ポール・スタンダードが、ニューヨークのメトロポリタン美術館で発見されたようです。コレクターのダーク・ジフが同美術館に寄贈した500本のギターコレクションのうちの1本で、盗難品だった可能性が浮上しています。
この1959年製サンバースト・ギブソン・レス・ポール・スタンダードは、1964年にローリング・ストーンズが歴史的な『エド・サリバン・ショー』に出演した際にリチャーズが演奏しました。その後、ストーンズ加入前のテイラーが購入。テイラーは購入後にジョン・メイオール&ブルースブレイカーズに加入し、その後、ストーンズ加入しました。テイラーは1969年末に開催されたストーンズのオルタモント・フリーコンサートでもこのギターを使用していました。そしてアルバム『Exile on Main St.』のレコーディング中に盗まれました。
この盗難は、バンドがアルバムの録音のために借りた、南フランスのコート・ダジュールにあるヴィラネル・コートで発生しました。地元の麻薬密売人によって行われたと伝えられており、リチャーズが滞在中に使っていたヘロインの代金を払わなかったことが原因だと言われています。リチャーズのギター9本に加え、ボビー・キーズのサックスとビル・ワイマンのベースも所在不明になりました。
テイラーのビジネスマネージャーであるマーリーズ・ダミングは、メトロポリタン美術館のコレクションにあるギターが実際にはテイラーの所有物であったことを明らかにしています。「ミック・テイラーがこのレスポールを演奏している写真は多数存在します。彼のメインギターだったのですが、ある時忽然と姿を消したのです」とダミングは語っています。
ある関係者は「テイラーは盗難に対する補償を受けておらず、どうして自分の所有物がメトロポリタン美術館のコレクションに加わったのか不思議に思っている」と語っています。
このギターは
ジミー・ペイジ(Jimmy Page)がセッション・ミュージシャン時代に使用したこともあり、また
エリック・クラプトン(Eric Clapton)は1966年7月のクリームの公演で、自身の楽器がリハーサル中に盗まれた後、このギターを使用していました。
ダーク・ジフは、歴史的なエレクトリックギターとアコースティックギターを何十年もかけて密かに収集してきました。そして5月、「1920年から1970年にかけてのアメリカのギター製作の黄金期に作られた最高級ギター500本」からなるこのコレクションをメトロポリタン美術館に寄贈しました。詳しくは
こちら。