ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の新音源「Zydeco Sont Pas Salés」が公開。この曲は「キング・オブ・ザディコ」と称されるザディコ音楽の伝説的アーティスト、
クリフトン・シェニエ(Clifton Chenier)のカヴァーで、
ミック・ジャガー(Mick Jagger)はクレオール系フランス語で歌っています。(※クレオール:異なる言語が混ざり合い、新しい言語として定着したもの)。このカヴァ―・ヴァージョンには、グラミー賞ノミネートのルイジアナ州出身のアコーディオン奏者スティーヴ・ライリーも参加しています。
このカヴァーは、シェニエの生誕100周年を記念して6月27日にリリースされるオールスター・トリビュート・アルバム『Tribute to the King of Zydeco』に収録されます。リリース元はValcour Records。
また同日にはストーンズ「Zydeco Sont Pas Salés」の限定版7インチシングルが発売されます。裏面にはシェニエのオリジナル・ヴァージョンが収録されます。シングルの収益は、ルイジアナ大学ラファイエット校のクリフトン・シェニエ記念奨学金基金に寄付されます。
クリフトン・シェニエは、ダイナミックなアコーディオンのリフとクレオール音楽のルーツを特徴とする音楽で、ジャンルに革新をもたらした先駆者でした。
ストーンズのこのトリビュートは単なる音楽プロジェクトではなく、バンドの音楽的ルーツと影響への敬意を表すものです。ジャガーによると、バンドは1960年代にシェニエの音楽と出会い、大きな影響を受けました。シェニエの音楽はバンドに響き、特にジャガーは、シェニエがブルース・ナンバーを自身のスタイルに取り入れる手法に感銘を受けたそうです。
全14曲を収めたアルバムには、ストーンズに加えて、ルシンダ・ウィリアムズ、スティーヴ・アールなど、シェニエの作品に影響を受けた人々の演奏も収録されています。また、このアルバムの特筆すべき点の一つは、シェニエの息子であるCJシェニエが、現代のミュージシャンとのコラボレーションを通じて父親のレガシーを継承している点です。このアルバムの制作は、ルイジアナ出身のケイジャンミュージシャン兼プロデューサーのジョエル・サヴォイと、
ロス・ロボス(Los Lobos)のスティーブ・バーリンが中心となり、シュニエの音楽への敬意が強く表れています。
アルバムの収益はルイジアナ大学ラファイエット校の奨学金に充てられ、伝統的なザディコ・アコーディオンを学ぶ学生を支援することでシュニエの影響を持続させることを目的としています。この取り組みはシュニエのレガシーを称えるだけでなく、芸術形式が今後も発展し続けることを見据えたものです。