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ジョン・サイクスがいかにしてシン・リジィを救い、アルバム『Thunder and Lightning』にメタル・ギターの轟きをもたらしたか スコット・ゴーハム語る

2025/06/20 17:44掲載
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Thin Lizzy - John Sykes, Phil Lynott, Scott Gorham (Image credit: Getty Images/Phil Dent)
Thin Lizzy - John Sykes, Phil Lynott, Scott Gorham (Image credit: Getty Images/Phil Dent)
シン・リジィ(Thin Lizzy)スコット・ゴーハム(Scott Gorham)は米Guitaristの新しいインタビューの中で、バンドに新たな息吹を吹き込んだジョン・サイクス(John Sykes)に敬意を表しています。サイクスがいかにしてシン・リジィを救い、最後のスタジオ・アルバム『Thunder and Lightning』にヘヴィメタル・ギターの轟きをもたらしたかについて振り返っています。

1980年代初頭、ゴーハムはシン・リジィが衰退期にあると認識していて、フィル・ライノット(Phil Lynott)に何かを変える必要があると伝えたという。ゴーハムは、全員がバンドから一旦離れて、自分たちを整えてクリーンになってから再始動する考えでしたが、ライノットには別の考えがありました。

「フィルは“もう1枚アルバムを作ってワールドツアーをやろう。この若者は、すごく上手いんだ”と言っていた」

その若者とは、当時は新生タイガース・オブ・パンタンで名を上げつつあったジョン・サイクスでした。

「ジョン・サイクスがやってきた。彼には何の欠点もなかった。本当は“ほら、適当な奴がいないだろう。だから、一旦離れよう”と言いたかったけど、それはできなかった。彼は本当には素晴らしいギタリストだったから。彼が黒のレスポール以外を弾いているのを見たことがない。ステージ映えも抜群だった。文句のつけようがなかったよ」

彼らが一緒に制作した唯一のアルバム『Thunder and Lightning』はサイクスとゴーハムのギターが激突する、シン・リジィ史上最速で最もヘヴィで、最も妥協ないアルバムでした。制作中、新たなバンドメイトたちはサイクスの熱狂的な情熱についていけなかった時もあったという。

「俺たちはメタル・バンドじゃなかった。でもジョンがメタルのエッジを持ち込み、俺も彼に合わせるために自分のサウンドを磨いた。

彼の強みはスピードだった。彼は細やかな表現にはこだわらなかった。どの曲ももっと速くしたがっていた。ドラマーのブライアン・ダウニーに向かって“もっと速くできないか?”と言っていたので、俺は“ジョン、制御不能だぞ”と言わざるを得なかった。彼はみんなに自分がどれだけ速いか見せたかったのだと思う。彼は優れたプレイヤーだった。その点は疑いようがない」