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デヴィッド・ボウイ「Life On Mars?」 最後の電話のベル音はそれまで一度も鳴ったことのない電話が突然鳴ったため偶然録音 プロデューサーが当時を回想

2025/06/17 16:31掲載
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David Bowie - Life On Mars? (Original Ending Version) [4K Upgrade]
David Bowie - Life On Mars? (Original Ending Version) [4K Upgrade]
デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の名曲のひとつ「Life On Mars?」は最後にフェードアウトするとき、電話の呼び出し音が聞こえます。これは、これまで一度も鳴ったことのない電話が突然鳴ったため偶然録音されたもので、誰から電話がかかってきたのかは今も謎のままです。プロデューサーのケン・スコットは後に、その日起こったことを著書『Abbey Road to Ziggy Stardust』で回想しています。MusicRadarはその抜粋を紹介しています。

「スタジオに隣接したトイレには公衆電話が設置されていた。その電話はセッション・ミュージシャンが休憩中やセッション終了後に外部へ電話するためのもので、誰かがかけてくることを想定したものではなかった。実際、誰もその番号を知らなかったので(それまで)電話は鳴ったことがなかったんだ。

僕たちの素晴らしいテイクの終盤に差し掛かっていた時、今まで一度も鳴ったことのない、そのトイレの電話が突然、耳障りなほど大きな音で鳴り出した。もちろんピアノのマイクがそれを拾ってしまい、そのテイクが使い物にならなくなったので、みんな、とてもがっかりしていた。僕たちなら同じくらい良いテイクがまた録れると考え、電話のベル音で台無しになったテイクに上書きすることを決めた。そして、テープの最初に巻き戻して、再び録音を開始した」

何らかの理由で、この2回目のテイクはバンドが最初のテイクよりも早く開始したか、または若干速いテンポで演奏していました。そのため、最初のテイクよりも早く終わってしまい、消そうとしていた電話の音がはっきりと聞こえる最初のテイクのエンディング部分がそのまま残っていました。

「オーケストラのオーバーダビングをしている時、彼らが曲の最後の音を伸ばしている最中に、消されていなかった最初のテイクの終盤部分がモニターから爆音で流れてきた。驚いたことに、とても良い音だったので、これを使うことに決めたんだ」

こうして使われることになりましたが、電話の音に気づいたメンバーのやりとりは冒頭部分以外をカットされました。しかし、ミック・ロンソン(Mick Ronson)が言った罵声の音源は残されていました。

ケン・スコット:「止めて」
ミック・ロンソン:「何?」

電話のベル音が聞こえ、ピアノの演奏が止まる。

ミック・ロンソン「クソ野郎!ああ、クソッ!」

レコーディングが行われたトライデント・スタジオの関係者にその電話の番号を知っている人はいなかったので、ケン・スコットは間違い電話だったに違いないと考えています。