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ニック・ケイヴ、モリッシーを語る コラボを断った理由は?

2025/06/17 13:47掲載
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Nick Cave, photo by Ian Allen
Nick Cave, photo by Ian Allen
ニック・ケイヴ(Nick Cave)モリッシー(Morrissey)のことを「人を怒らせることに少なからぬ喜びを見出している人物だ」と思っていますが、「彼の世代で最も優れた作詞家であることは間違いない」と称しています。そのモリッシーからコラボレーションを依頼されたケイヴですが、ある理由でその機会を「丁寧に断った」という。ファン向けのニュースレター『レッド・ハンド・ファイルズ』の新しい投稿の中で、その理由について述べています。

「実際にモリッシーに会ったことはないが、だからこそ好きなのかもしればい。彼は紛れもなく複雑で議論を呼ぶ人物であり、人を怒らせることに少なからぬ喜びを見出している人物だ。それを楽しむ人もいるかもしれないが、俺はほとんど興味がない。ただし、モリッシーはおそらく彼の世代で最も優れた作詞家であることは間違いない。間違いなく最も風変わりで、最もユーモアがあり、最も洗練され、最も繊細な作詞家だ。昨年、彼と何度か愉快なメールのやり取りがあり、モリッシーは自分が書いた新しい曲で歌ってくれないかと尋ねてきた。喜んで引き受けようと思ったが、送られてきた曲はとても素敵なものだったが、長々とした全く的外れなギリシャのブズーキのイントロから始まっていた。また、彼は俺に実際には歌うのではなく、ブズーキの上に、彼が書いた不必要に挑発的で少しばかげたアンチ・ウォーク(※少数派が過度に優遇されて多数派の権利や価値観を蔑ろにしているとの思想)の演説を朗読してほしいようだった。確かに、その主張の一部には共感する部分もあったかもしれないが、それは俺のスタイルではない。俺は政治や文化などに関わることを、自分が関与する音楽から排除しようとしている。それらは音楽の価値を損なうだけでなく、俺が目指すものとは正反対のものだと感じているからだ。そのため、俺は丁寧にお断りした。ノーと答えたよ」