
Clem Clempson (Image credit: Frank Hoensch/Redferns/Getty Images)
リッチー・ブラックモア(Ritchie Blackmore)が1975年に
ディープ・パープル(Deep Purple)を脱退した時、後任として検討された一人が、
コロシアム(Colosseum)や
ハンブル・パイ(Humble Pie)などで活躍した
クレム・クレムソン(Clem Clempson)。バンドは最終的に
トミー・ボーリン(Tommy Bolin)を選びます。クレムソンはこのオーディションの経験について米Guitar Worldの新しいインタビューの中で振り返っています。クレムソンによると、この経験の後、
グレン・ヒューズ(Glenn Hughes)と
デヴィッド・ボウイ(David Bowie)とともに新バンドを結成する計画も立てたという。
「数日間ほど楽しくジャムして、一緒に過ごしたよ。一緒に演奏したことは、みんな楽しんでくれたと思うけど、彼らが求めていたのは単にリッチーの代わりになるギタリストだけじゃなかった。グループのメインソングライターとしてのリッチーの役割も埋められる人が必要だったんだ。その点では、自分が適任だとは思わなかった」
一方、ボーリンはバンドが必要としていたソングライティングのスキルを持っていました。実際、ボーリンは加入後のアルバム『Come Taste the Band』で全9曲中7曲を共作しました。
クレムソンはバンドの決断を理解しているという。
「トミーには、バンドがまさに必要としていた曲がたくさんあったと思う。彼のスタイルは僕よりもリッチーに近く、僕のスタイルとは違った。僕はヘヴィロックそのものにはあまり興味がなかった。僕にとって、ハンブル・パイとツェッペリン、パープル、ブラック・サバスのようなバンドの間には微妙な違いがあるんだ」
オーディションはうまくいきませんでしたが、彼は時間を無駄にしたとは思っておらず、実際、この経験には良い思い出があり、全く別のプロジェクトを生み出す寸前までいったと振り返っています。
「ハイライトの一つは、グレン・ヒューズとデヴィッド・ボウイと夜遅くまで一緒に過ごしたこと。僕のリフを基に曲を書いたし、新しいバンドの計画も立てた。イメージとしては、マハヴィシュヌ・オーケストラにヴォーカルが入るようなものだったよ」