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ロバート・パーマー「Addicted to Love」はなにが特別だったのか?レコーディングに参加したギタリスト語る

2025/04/30 15:46掲載
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Robert Palmer / Riptide
Robert Palmer / Riptide
ロバート・パーマー(Robert Palmer)のヒット曲「Addicted to Love(邦題:恋におぼれて)」。この曲のなにが特別だったのか? この曲を含んだ1985年アルバム『Riptide』のレコーディングに参加したギタリストのエディ・マルティネス(Eddie Martinez)がUltimate Classic Rockの新しいインタビューの中で振り返っています。

「パーマーはとても幅広い音楽の趣味を持っていた。ビリー・ホリデイやナット・キング・コールを聴いたかと思えば、同じカセットにセパルトゥラやハスカー・ドゥを入れていた。ジャンルに関係なく、素晴らしい音楽を楽しんでいたよ。

彼は(バハマのスタジオ)コンパス・ポイントでこの曲をライヴ録音した。初めて“Addicted to Love”を聴いた時のことを覚えているよ。彼はこの曲を夢で見て、歌詞を書いたと言っていた。

レコーディングはバーナード・エドワーズ(Bernard Edwards)がプロデュースした。ジェイソン・コルサロ(デュラン・デュラン、ピーター・ガブリエル、オジー・オズボーン)がエンジニアリングとミキシングを担当したんだけど、彼はセッションにソニーの24トラックデジタルマシンを持ち込んだ。これはかなり早い時期のことで、まだ多くの人がアナログを使っていたなか、ジェイソンは本当に優れたエンジニアだった。

(レコーディングは)全員が自由に考え、表現し、貢献できる雰囲気があった。バーナードが舵を取っていて、彼は“この曲を意図通りに仕上げるには、これで十分だ”と判断し、ブレーキをかけるタイミングも正確だった。

“Addicted to Love”のレコーディングでは、ジェイソンが(シックのドラマー)トニー・トンプソン(Tony Thompson)のドラムセットを部屋の外向きに配置した。スタジオのドアは開けっぱなしにされ、トニーのドラムセットはそのドアのすぐそばに置かれた。そのドアの外には長い廊下があり、おそらく30フィート(約9m)以上はあったと思う。ジェイソンは異なる距離にマイクを設置し、その狂気の中から(あの独特の音を)生み出したんだ。あのアルバムのドラムサウンド、特に“Addicted”のドラムだけを抜いたトラックを聴いたときは、本当に圧倒されたよ。

あの曲では、ギタリストとして当時知っていたすべてのこと、特にハーモニーやコードの音の重ね方に関して、自分の知識を存分に活かすことができた。

あの頃を振り返ると、ポップやロックで本当に必要とされていたものに、良いバランスで応えることができたと思う。“Addicted to Love”のクランチーなサウンドを出すのは簡単だったけど、僕は他のタイプの音楽では本当にタイトなファンクっぽいサウンドを出していた。そういうバックグラウンドを持っていて、それを適用できたことは、あのアルバムにとって本当に重要だったと思う。『Riptide』はまるでキャンバスみたいなもので、空白のキャンバスに、聴こえるものを自由に探求できる場所だった。ギタリストがアルバム制作に取り組む上で、まさに天国のような環境だったよ」