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92年『フレディ・マーキュリー追悼コンサート』 エクストリームはなぜ指示を従わずにクイーン楽曲を演奏したのか?33年の年月を経てヌーノが理由を語る

2025/04/27 21:53掲載
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VA / The Freddie Mercury Tribute Concert
VA / The Freddie Mercury Tribute Concert
1992年4月20日に英ロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催された『フレディ・マーキュリー追悼コンサート』。エクストリーム(Extreme)は、クイーン・メドレーを演奏しましたが、じつは、最後にクイーン(Queen)の存命メンバーと行うオールスター・ジャムまではクイーンの楽曲を演奏しないよう指示されていたという。なぜ、エクストリームは指示に従わなかったのか? 公演から33年の年月を経てヌーノ・ベッテンコート(Nuno Bettencourt)がその理由をSNSで明かしています。

「33年前、それは僕が参加した人生で最も素晴らしいコンサートのひとつであるだけでなく、ブライアン・メイがステージに現れて僕たちを紹介し、“この地球上のどのグループよりも、この次のバンドはフレディが何者であり、クイーンが何者であるかを理解している”と言った瞬間でもあった。通常なら謙虚な態度を取るべきところですが、その言葉は1000%的を射ていました。

あの日、僕たちはスタジアムにいる真のクイーン・ファンだけでなく、世界中で観ている人たちにもフレディが僕たちにとってどれほど大切な存在かを伝えたかった。そして何よりも重要なのは、天国から見守っている、史上最高の作曲家でありロックンロールシンガーの一人であるフレディ自身に、彼が僕たちにとって何を意味していたかを知ってもらいたかったのです。

たしかに、僕たちはエクストリームの曲ではなくクイーンの曲ばかりを演奏したことで大問題になりました。クイーンの生存メンバーが参加するオールスター・ジャムまで、どのアーティストも、クイーンの曲を演奏することが許されていなかったからです。でも、それをするだけの価値はありました。フレディが僕たちにどれほど大きな影響を与えたかをみんなに伝え、僕たちの人生を形作り、変えたクイーンの音楽を讃える必要があったからです。

そのための唯一の方法は、初めてクイーンのメドレーを演奏するリスクを取ることしかありませんでした。クイーン、ボウイ、エルトン、ガンズ、メタリカ、そしてステージ脇にいた圧倒的な才能の前で、それは賢い選択ではなかったかもしれません。でも、僕たちはそれがクイーンが築いたウェンブリー・スタジアムを揺るがす唯一の方法だとわかっていました。

そしてそれを乗り越えた者として、はっきり言えます…フレディはあの建物の中にいました。あの演奏の間、一瞬一瞬、全身を走った身震いと稲妻のような感覚は、今日まで二度と感じたことのないものでした。

あの日、ウェンブリーにいたすべてのクイーンのファンに感謝します。あなたたちを楽しませることができたのは、僕たちにとって名誉であり、特権でした… 僕たちにとって永遠に大切な贈り物です。

あの日、皆さん一人一人がいなかったら、クイーンへの皆さんの計り知れない情熱がなければ、フレディの人生を祝い、悼むことはできなかったでしょう。

“唯一無二の存在”です。」