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クイーンがライヴエイドで披露した伝説的パフォーマンス 幻になるところだった クイーン出演反対をどう説得したのかプロモーター回想

2025/04/02 18:45掲載
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Queen at Live Aid at Wembley Stadium, 1985. Photo by Neal Preston.
Queen at Live Aid at Wembley Stadium, 1985. Photo by Neal Preston.
クイーン(Queen)が1985年の<ライヴ・エイド>で披露した伝説的パフォーマンス。しかし、プロモーターのハーヴェイ・ゴールドスミスによると、主催者のボブ・ゲルドフ(Bob Geldof)は当初、クイーンの出演を反対していたという。ゴールドスミスがクイーン出演のために奮闘したことを、MOJO誌の新しいインタビューの中で振り返っています。

「ボブ・ゲルドフと私はライヴ・エイドの準備を進めており、出演アーティストの候補を検討していた。プロデューサーである私は、出演時間や、誰がどこに出演するかを把握する必要があった。

私はよく考えた末に、夕方の遅い時間帯にはクイーンが最適だと考えた。ボブは“いや、彼らはピークを過ぎている。彼らを出演させるべきではない”と言っていたが、私は“5時半、6時台の時間帯には彼らが最適だと思う”と言った。フレディのことを知っていたので、彼らは本当に素晴らしいライヴを披露してくれるだろうと確信していた。ボブと私は何度も話し合った。私は説得に説得を重ねた。彼は“いや、他にも出演させるアーティストはいる”と言っていたが、私は“クイーン以上のアーティストはいない”と食い下がりました。私はこうしたイベントについてよく知っている。誰がいつ演奏すべきかも知っている。12時に開演して夜10時まで続くようなイベントの場合、午後には必ず進行が停滞する時間帯がある。なので、その時間帯を盛り上げられるクールなアーティストが必要なんだ。ライヴ・エイドがその効果を実証して以来、この時間帯は、この種のフェスティバルでは本当に重要な時間帯となっている。

依頼された当初、クイーンは少し乗り気ではなかった。彼らは長いツアーを終えたばかりで、みんな疲れ切っていて、休息を求めていた。しかも、依頼された日は開催日まであとわずかの時期だった。フレディは少し距離を置いていた。ライヴ・エイドの発表に対する反応を見極めようとしていたのだと思う。マスコミやメディアの反応、チケットの需要を理解すると、彼はバンドとマネージャーのジム・ビーチと話し合い、出演を決意した。もちろん、彼らはイベントの最後に演奏したいと思っていた。しかし、私は、いや、この時間帯に出演してほしいと言った。フレディを動かしたのは、10億人の人々に向かって一度にライヴ演奏できるということだったと思う。それまで誰もやったことがなかった。彼はただ“よし、見せてやる”と思ったのだと思う。

クイーンは1週間リハーサルを行った。彼らがステージに上がると、フレディはチャンスを感知した。彼は喉を張り裂けんばかりに歌い、他の誰にもできないようなパフォーマンスを披露した。バンドの他のメンバーも奮い立たせ、地元での公演ともなれば、さらに奮い立つものだ。

フレディは群衆の指揮者となった。観客が彼らのためにすべてをやってくれたので、クイーンは何かをしなければならないということはなかった。フレディが大げさに演じれば演じるほど、ブライアンはギターのリフやソロをより良く演奏し、観客はそれを吸収してバンドに返していた。お互いに高め合っていたんだ。

クイーンは短いセットを披露しただけだったが、それは一生に一度のセットであり、バンドとしての彼らを変えた。ライヴ・エイドについて語るとき、ほとんどの人はこう言うでしょう。“ああ、クイーンのね”とね」

■Queen - Live Aid 1985