PRINCE - OpeningAct 4 The Rolling Stones, LA 1981
プリンス(Prince) は1981年、
ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones) の全米ツアーで3組のオープニング・アクトのトップバッターを務めました。初日、プリンスは観客から罵声を浴びせられ、食べ物や瓶などを投げつけられ、25分でステージを放棄しました。プリンスと共にステージに立ったギタリストのデズ・ディッカーソンやベーシストのブラウン・マークが米Guitar Worldの新しいインタビューの中で当時、本当に起こったことを語っています。
オープニング・アクトは、プリンス、ジョージ・サラグッド、J・ガイルズ・バンドの3組で、プリンスは当時、最も知名度の低いアーティストであっただけでなく、唯一の黒人でした。
ロサンゼルスのメモリアル・コロシアムで行われたツアー初日、トレンチコートと黒のビキニパンツ姿でステージに登場したプリンスは、観客から人種差別や同性愛嫌悪の罵声を浴びせられ、フライドチキン、缶、ボトルなどを投げつけれました。
この公演はロック史上最も悪名高いライヴのひとつですが、ディッカーソンは「この公演については、事実がゆがめられて伝えている」と語り、このライヴが一部で言われているほど、ひどいものではなかったと主張しています。
マークは次のように振り返っています。
「気づいた時には、食べ物が暗い暗雲のように空を飛び始めていた。9万4千人の観客が互いに食べ物を投げ合っている姿を想像してみてほしい。あれは人生で見た中で最もクレイジーな光景だった。僕はフライドチキンの入った袋が肩に当たり、次に大きなグレープフルーツがチューニングキーに当たって、ベースのチューニングが狂ってしまったんだ」
ディッカーソンはこう続けます。
「ほとんどがヘルズ・エンジェルだった。彼らはプリンスのビキニパンツが気に入らなかったんだ」
しかし、観客の大半はプリンスの味方だったとディッカーソンは主張しています。
「後で知ったことだけど、ストーンズの観客は彼ら(ヘルズ・エンジェル)に物を投げ返していたんだ。それが彼らの愛情表現の方法だったんだよ。
プリンスは怖気づいてセットを途中で切り上げてしまった。ロック系のラジオ局は、僕らがブーイングを浴びてステージから追い出されたと報道したけど、それは真実ではない。
統計的に言えば、どんなライヴでも、観客の5パーセントは、そのアーティストのパフォーマンスを好まないと言われているからね」
初日のパフォーマンスの後、プリンスは、もうやらないと主張しました。ディッカーソンは、こう振り返っています。
「僕らが楽屋に戻ると、プリンスは空港に向かった後だった。彼は家に帰って、戻ってこなかった。ミック・ジャガーがプリンスに電話して戻ってくるよう頼んだが、彼は“いや、もうやらない”と言っていた」
プリンスのマネジメントもプリンスを説得しようとしたがうまくいかなかったため、ディッカーソンが自ら動いたという。
「最終的に、マネジメントが僕のところに来て、“プリンスは君の言うことなら聞く。電話してくれないか?”と言ったんだ。僕は、バンドとしての男らしさを訴え、“こんなことで逃げ出すわけにはいかない。一生後悔するぞ”と言った。するとプリンスは戻ってきてくれて、2回目のライヴを行えることになった」
しかし、2回目のライヴも同様の反応を受け、プリンスは二度とストーンズとステージを共にすることはありませんでした。
以下は、当時のライヴ音源
VIDEO