
David Bowie / Let's Dance
デヴィッド・ボウイ(David Bowie)は、アルバム『Let's Dance』ならタイトル曲の「Let's Dance」よりも「Ricochet」の方がヒットするべきだったと思っていたという。プロデュースした
ナイル・ロジャース(Nile Rodgers)がレコーディング・アカデミーの新しいインタビューで語っています。
「デヴィッドから『Let's Dance』のプロデュースを頼まれた時、僕たちはまだ出会ったばかりだった。クラブでばったり出会って話し始めたんだけど、彼のジャズ・アーティストや作曲家、アレンジャーに関する知識の豊富さに驚いた。彼はそのことに深くのめり込んでいて、お互いがお互いを上回ろうとして、どんどんアバンギャルドな方向に進んでいった。“そうだな、君はあのレコードを聴いたことがある?”“エリック・ドルフィーの『17 West』は?”という感じで、本当に盛り上がっていた。
その後、彼から電話があり、“なるほど、君こそが次のアルバムをプロデュースすべき人だ”と気づいたようだよ。僕がスイスにある彼の家を訪ねると、彼は僕の寝室で“これはヒットすると思うんだ”と言い、彼はフォークソングのような曲を弾き始めた。それは僕たちがやろうとしていたこととはまったく違ったが、彼はその曲に夢中だった。彼は“Let's Danceという曲だ”と言っていた。
僕は“僕はダンスミュージック出身。アレンジさせて欲しい”と言い、僕は曲全体を再構成することになった。翌日レコーディングスタジオに行って演奏するまで、僕は“Let's Dance”をちゃんと聴いたことがなかった。もちろん、アレンジャーとしては、頭の中でなんとなく聴こえているけれど、僕はアンサンブルのために作曲する。デモを作ったとき、キーボード奏者はいなかったので、ギター2本だけで、ジェームス・ブラウン風の演奏をした。
僕はデヴィッドに“寝室で歌っていたように、この音楽に合わせて歌ってほしい”と言った。それは本当にうまくいった。“Let's Dance”のデモを聴くと、彼がどれだけ楽しんでいるかがわかる。彼がそれを気に入っていることがわかる。もちろんこれは彼のキャリアの中で最大のヒットのひとつだけど、彼は“Let’s Dance”よりも“Ricochet”での僕のアレンジ・スキルの方が、はるかに優れていると思っていて、なぜ人々がそれをもっと気に入らないのか理解できなかった。僕は“わあ、変わっているな”と思ったよ」