クイーン(Queen)のデビューアルバム『Queen』のジャケット・カヴァーは、メンバー4人ではなく、スポットライトを浴びた
フレディ・マーキュリー(Freddie Mercury)のみが写っています。なぜこの写真を使ったのか?
ブライアン・メイ(Brian May)は英Classic Rockの新しいインタビューの中で、アルバム・カヴァーのオリジナル写真を紹介する中で、その理由について語っています。
また、クイーンの初代ベーシスト、マイク・グロスの脱退についてや、英ロンドンの伝説的クラブ、マーキー・クラブについての思いも語っています。
■マーキー・クラブ、1972年12月20日撮影
(Image credit: Douglas Puddifoot)
「フレディは初めて会ったときから、常に頭の中ではロックスターだった。まだ実家で両親と一緒に暮らしていたときでさえ、骨の髄までそうだった。彼の心の中では、彼は常にステージ上の偉大な神であり、だからこそ彼はそう考え、そう行動していた。僕は、彼が単なるヴォーカリスト以上の存在になるだろうという予感があった。彼は、船の船首像のような存在になるだろうと。彼は人々が最初に目にする存在だった。
彼がスポットライトを浴びているこの非常に象徴的なポーズの写真を見つけたとき、僕は“これを僕たちの最初のアルバムのジャケット・カヴァーに使うべきだ”と思った。僕たち4人を前面に出すのではなく、フレディを僕たちのエンブレムにすべきだと思ったんだ。
それで、同じライヴで撮影されたスポットライトの別の写真を手に入れ、その写真を拡大してから、この写真を使い、ハサミ、ナイフ、糊を使ってすべてを配置して、僕たちのアルバム・カヴァ―ができあがった。僕はいつも彗星のように見えると思っていた。印象的なイメージだよ」
■インペリアル・カレッジ 1970年6月撮影
(Image credit: Douglas Puddifoot)
「これはインペリアル・カレッジの機械工学棟で撮影したもので、当時は毎週ここでリハーサルをしていた。右側に写っているのが、僕たちの最初のベーシスト、マイク・グロス。マイクは体格がよく、音も大きかった。(ザ・フーの)ジョン・エントウィッスルのような感じで、音域は広くて鋭く、それでいて深みもあった。でも、音楽的にはあまりかみ合わなかった。次第に、僕たちの考えが一致しないことが明らかになり、結局、分かれることになった。僕たちが彼をクビにしたわけではなく、ただうまくいかなかったんだ。
僕らに合うベーシストを見つけるのはとても難しかった。何人かの優れたミュージシャンと演奏したけど、誰ともうまくいかなかった。結局、かなり後になって、友人の友人を通じてジョンを見つけた。彼はオーディションを受けたわけではなく、ただ来て演奏しただけだった。彼は正しいフィーリングと正しい音を持っていて、一緒に演奏するのがとてもやりやすかった。僕らはただ、うまくいくと当然のように思った。そして、実際うまくいった」
■マーキー・クラブの楽屋
(Image credit: Douglas Puddifoot)
「これはマーキーの昔の楽屋。ステージから降りてドアを通り抜けると、そこが楽屋だった。 狭くて、長年こびりついたビールの匂いがしたけど、ジミ・ヘンドリックス、クリーム、イエスなど、そこで演奏した人たちの落書きや走り書きが壁一面にあった。そこにいることはとても刺激的だった。
マーキーは、客として僕たちがよく知っている場所だった。ロリー・ギャラガーやテイストを何度も観たし、ザ・ナイスもよく観に行ていた。自分たちがここで演奏するなんて、実際には不可能に思っていた。責任者のジョン・ギーは手の届かない存在で、まるで別世界の住人のようだった。マーキーで演奏するにはレコードを出している必要があったんだけど、レコード契約を結ぶにはマーキーのような場所で演奏しなければならなかった。まさに“どうにもならない”状況だった。
最終的にどうやってマーキーで演奏できるようになったのかは覚えてないけど、実際に演奏したときは信じられないほど素晴らしかった。神聖な場所に足を踏み入れたような気分だった。僕らのヒーローはみんなここで演奏していた。この場所で演奏することで、僕たちはエネルギーをもらったんだ」