『Pyromania』のプロデューサー、マット・ラングは、フォリナーのアルバム『4』をプロデュースした際、「Juke Box Hero」や「Waiting For A Girl Like You」などのシンセサイザー演奏をトーマス・ドルビーに依頼していました。
エリオットによると、ドルビーのこのアルバムへの貢献は大きかったという。
「トム・ドルビーが参加したのは、プロジェクトが半分くらいまで進んだところだった。彼はいくつかの曲に新しい次元を加えてくれた。例えば“Rock Of Ages”では、サビの部分にギターは使わず、サヴ(リック・サヴェージ)のベースとトムのキーボードをミックスしたクールなベースラインだけを使った。だから、誰も使ったことのないモダンなサウンドが生まれたんだ」
サヴェージも同意見だという。
「“Rock Of Ages”のあのサウンドは素晴らしい。トムが加えた部分は、ベースギターと完璧にマッチしている。しかも、すごくダーティなサウンド、グランジっぽい! 攻撃的で、それがクールなところなんだ。彼はリズムも加えていた、リズムの中のリズムのように。非常に巧妙。ハードロックとは縁遠かった人から出てきたものとしては特にね。
ドルビーが『Pyromania』の制作に参加することになったとき、ソロアーティストとしてのキャリアが「She Blinded Me With Science(邦題:彼女はサイエンス)」のヒットで軌道に乗り始めていたため、ドルビーはロック・ミュージックと結びつきすぎることに警戒していたという。その結果、ドルビーは別名でクレジットに登場しました。