ケイト・ブッシュ(Kate Bush)は、戦争の影響を受けた子供たちのための募金を集めるために自ら脚本と監督を手がけた短編アニメーション作品『Little Shrew』を公開。これにあわせ、英BBCのインタビューに応じ、「新しいアルバムの制作に取り掛かりたいと強く思っている」とも話しています。
ケイトがスタジオ・アルバムをリリースしたのは2011年の『50 Words for Snow』が最後。
今回公開されたモノクロの4分間のアニメーション作品は『Little Shrew』というタイトルで、『50 Words for Snow』に収録されている「Snowflake」に合わせて制作されており、チャリティ団体「War Child」への寄付と認知度向上を目的としています。
BBCの番組に出演したケイトは、現在、新しい作品に取り組んでいるかと尋ねられて、こう答えています。
「今はやっていないけれど、ここ数年はアーカイブ作業に追われていました。ウェブサイトを再設計したり、歌詞集をまとめたりしていました。
それが終わったら、新しいアルバムの制作に取り掛かりたいと強く思っています。アイデアはたくさんありますし、クリエイティブな空間に戻れることをとても楽しみにしています。長い時間が経ちましたから。
(以前からやりたいと思っていたのですか?)
ええ、本当に。特にこの1年は、何か新しいことを始めたいという気持ちが強かったんです。
(ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアが最近のインタビューの中で、ケイトに再びライヴをやるよう説得しようとしたと語っていたと言われると)
まだその段階じゃないのよ(笑)」
短編アニメーション作品『Little Shrew』は、ケイトがイラストレーターと共同制作した作品で、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻にインスパイアされた部分があるという。BBCの取材にこう話しています。
「私がこの作品に取り組み始めたのは数年前で、ウクライナ戦争が勃発して間もなくのことでした。私たち全員にとって、それは本当に衝撃的な出来事でした。
それまで私たちは長い平和な時代を過ごしてきました。私は、小さな女の子を主人公にしたアニメーションを作りたいと思いました。それは、戦争に巻き込まれた子供たちのことを描いたものでした。子どもたちにとって戦争がいかに恐ろしいものかを訴えたかったのです。
それで、この絵コンテのアイデアを思いつきました。人間よりも生き物の方が人々の共感を呼ぶのではないかと考え、小さなトガリネズミを登場させることを思いつきました。
戦争は誰にとっても恐ろしいものですが、特に民間人は、こうした状況下では非常に弱い立場に置かれるため、恐ろしいものです。子供にとっては、それがどれほど恐ろしいものであるかは想像を絶するでしょう。
私たちは皆、非常に困難な時代を経験していると思います。私たちは今、暗い時代を生きています。そして、ある程度は誰もが疲れ果てていると思います。
私たちはパンデミックを経験しました。あれは大きなショックでした。でも、それが終われば、ある種の普通の生活に戻れると思っていたと思う。
でも、実際には、次から次へと状況が変わっていくだけで、常に戦争が起きているように思えます」