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ビートルズが『Abbey Road』のレコーディングに使用した伝説のレコーディングコンソールを復元 販売へ

2024/10/23 11:18掲載
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Paul McCartney - Abbey Road console - photo via AbbeyRoad.com
Paul McCartney - Abbey Road console - photo via AbbeyRoad.com
ビートルズ(The Beatles)がアルバム『Abbey Road』のレコーディングに使用した伝説のレコーディングコンソール「EMI TG12345」が修復され、オンライン楽器・機材マーケットプレイスのReverbで販売されることになりました。

このアビー・ロード・スタジオのレコーディングコンソールは、ロンドンのレコーディングスタジオの専門家であるオフィシャルReverbショップにて10月29日より販売されます。

この唯一無二のレコーディングコンソールは、1968年にEMIレコーディング・スタジオのために特別に製造され、翌年には『Abbey Road』のレコーディングにも使用されました。EMIが製造した17台のコンソールの中で最初のものであり、ビートルズが『Abbey Road』で追求した野心的なサウンドにおいて重要な役割を果たしました。

このコンソールを使用してビートルズのレコーディングセッションに何度か参加したデイヴ・ハリーズはプレスリリースの中で「『Abbey Road』は、史上最高のアルバムのひとつであり、このレコーディングコンソールのおかげで、とても素晴らしい音がします。アビー・ロードのレコーディング方法により、このアルバムは独特のサウンドを獲得し、ポップレコーディングの未来を決定づけました」と話しています。

『Abbey Road』の録音にこのコンソールが使用された後、ビートルズの4人はそれぞれのソロ・プロジェクトでこのコンソールを使い続けました。ジョン・レノン(John Lennon)のシングル「Instant Karma!」、ジョージ・ハリスンのアルバム『All Things Must Pass』、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)のアルバム『McCartney』、そしてリンゴ・スター(Ringo Starr)のアルバム『Sentimental Journey』などです。

ハリーズによると、ジョージ・ハリスンは、このコンソールの性能に感銘を受け、EMIに個人的に新しいものを製作するよう依頼したという。しかし、EMIは、競合他社が模倣するのではないかと懸念し、これを断ったとのこと。

プレスリリースによると、「EMI TG12345」は分解された後、50年以上もの間使われることなく放置されていましたが、ビートルズの協力者であり、元EMIのエンジニアであるブライアン・ギブソンの指導の下、5年間にわたって入念に修復されました。

ギブソンは、オーディオエンジニアや技術者からなるチームとともに、オリジナル部品の70%をコンソールに再び取り付けました。そして、英国の専門企業と協力して交換部品を忠実に再現し、古い部品とシームレスに併用できることに成功しました。

ギブソンと彼のチームは、何年もの作業を経て、コンソールをEMIスタジオ(現在のアビー・ロード・スタジオ)に設置されていた当時とほぼ同じ状態に復元することができました。

ハリーズは「このコンソールは唯一無二のものです。これに代わるものはありません。EMIは、これを世界最高のコンソールとして作り上げたのです」とコメントしています。

伝説のレコーディングコンソールが50年ぶりにアビー・ロード・スタジオで使用されている様子を収めた映像が公開されています。



■Reverb内 該当ページ
https://reverb.com/news/the-abbey-road-console-preview


「EMI TG12345」