クイーン(Queen) が1973年にリリースしたデビューアルバム『Queen(邦題:戦慄の王女)』を2024年に再構築した全く新しい2024年ヴァージョン『Queen I』。その発売を記念して、ブライアン・メイとロジャー・テイラーがデビュー・アルバムのレコーディングに至るまでの苦難の道のりを振り返る動画『「戦慄の王女 (QUEEN I)」の録音に至る道:Queen The Greatest Special Part 1 (Episode 1)』(日本語字幕対応)が、クイーンの公式YouTubeチャンネルで公開されています。このエピソードでは、新設されたスタジオのテスト・バンドになるというチャンスが、彼らが必死に探し求めていた重要な突破口となった経緯が語られています。
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ブライアン・メイ(Brian May) と
ロジャー・テイラー(Roger Taylor) が「僕たちが皆さんにお届けすることをずっと夢見ていたデビューアルバム」だと語る、リミックス、リマスター、そして拡張された2024年版『Queen I』は6CD+1LPのコレクターズ・エディションとして10月25日に発売されます。
リリースから半世紀以上が経ち、バンドの歴史における重要な一章となったクイーンのデビューアルバムは、バンドが常に望んでいたサウンドになるように、ジャスティン・シャーリー=スミス、ジョシュア・J・マクレー、クリス・フレドリクソンによって新たにリミックスおよびレストアされました。また、新たなトラックリストとなり、オルタナティブ・テイク、デモ、ライヴ・トラックが追加され、この重要な作品の最も完全なヴァージョンが誕生しました。クイーンのアルバムが新たにステレオミックスされるのは今回が初めてです。
6CD+1LPのコレクターズ・エディションには、43曲の最新ミックスを含む63曲が収録されており、当初意図された曲順に戻されたデビューアルバム、スタジオでのクイーンの親密な様子を捉えた音源、デモ、レアなライヴ音源、そして1970年8月にロンドンで行われたクイーン初のライヴ・パフォーマンスの未発表音源で構成されています。1973年のオリジナル・リリースでは収録されていなかった「Mad the Swine」が、本来の演奏順に戻って収録されています。108ページのブックレットには、手書きの歌詞や貴重な資料が掲載されています。
ブライアン・メイはこう説明しています。
「これは単なるリマスターではありません。これは、クイーンのデビューアルバム全体を2024年に新たに再構築したものであり、僕たちはこのアルバムを『Queen I』と名付けました。
演奏はすべて1973年にリリースされたオリジナルのままですが、すべての楽器は、僕たちが当初使用したかった“ライヴ”アンビエントサウンドを再現するために再検討されています。その結果、今日の知識と技術で再現された『Queen』が誕生しました。これは史上初の試みです。
『Queen I』は僕たちが皆さんにお届けすることをずっと夢見ていたデビューアルバムです。」
『Queen I』はコレクターズ・エディションに加え、アナログレコード、1LPピクチャー・ディスク、カセットテープ、1CD、2CDデラックス・エディションでも発売されます。日本では輸入国内仕様6SHM-CD+LPコレクターズ・エディション(UICY-80529)、2SHM-CDデラックス・エディション(UICY-80530/1)、1SHM-CD通常盤(UICY-16255)の3形態で発売。
以下は以前に公開された映像・音源
ブライアン・メイによる『Queen I』6CD+1LPコレクターズ・エディションのボックス開封映像
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「Modern Times Rock 'n’ Roll (2024 Mix)」
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「Modern Times Rock 'n' Roll (Live at the Rainbow March 1974)」
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6CD+1LPのコレクターズ・エディションのボックス開封映像
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「The Night Comes Down (2024 Mix)」のミュージックビデオ
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メイによる開封映像
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以下、リリース決定時のプレスリリースより
クイーンが結成されたのは、1970年初夏。だが、バンドが初めてスタジオに足を踏み入れ、スタジオでの第一歩を踏み出したのは、ヴォーカルのフレディ・マーキュリー、ギターのブライアン・メイ、ドラムスのロジャー・テイラーの3人に、1971年7月、ベーシストのジョン・ディーコンが参加してからのことであった。 「最初の3年間は、まさに信念と情熱とが糧だった」と、ロジャー・テイラーは語る。「僕らは無一文だったけれど、自分達に対する強い信念と、溢れんばかりのエネルギーがあったんだ」。 世間に認められるよう奮闘する一方で、クイーンの音楽とステージ・パフォーマンスは着実に進化を遂げていった。前身のスマイルが1960年代後半のバンドだとすれば、クイーンのサウンドとイメージは、今現在と未来とを表現していたと言える。彼らの曲はこの時点で既に、壮大なリフとコーラス・ハーモニー、そしてクラシック音楽調の華麗な装飾に満ちていた。 ジョン・ディーコンの加入後、クイーンはトライデント・オーディオ・プロダクションズと、レコード制作、楽曲出版、及びマネージメント契約を締結。バンドのデモを聴いた同社のオーナー、ノーマン&バリーのシェフィールド兄弟は、ファースト・アルバムのレコーディング費用をクイーンに提供し、それを見込みのあるレコード会社に売り込むことで合意した。 また、シェフィールド兄弟は、ロンドンのソーホー地区にある最新鋭の設備を誇るトライデント・スタジオも所有していた。そこはエルトン・ジョンやビートルズが使用してきた場所で、無名の若いバンドはめったに利用できないようなスタジオであった。トライデント・スタジオの人気は非常に高く、日中は大抵予約で埋まっていたため、クイーンがレコーディングを行えるのは、スタジオが使われていない稀な”空き時間”、つまりいつも夜間だった。 1972年5月、クイーンはアルバム制作を開始。それからの4ヶ月間は、粉骨砕身しながら夜型の生活を送った。夜は、スタジオが使用可能になるまでソーホー周辺で待機。クイーンはその数時間後、疲れ果てた様子でトライデントから出てきたものだった。 「僕らはいつも徹夜で作業していたんだ。大抵は、清掃員が出勤してくる朝7時までね」とブライアンは振り返る。「ほんの少しでも時間があれば、とにかくスタジオに入っていたよ」。 ロジャーは次のように語る。「そう、僕らがそこに入ったのは、ちょうどボウイが『ハンキー・ドリー』と『ジギー・スターダスト』の両作を録音した直後のことだった。彼はその2作を立て続けに録音していたんだけど、どちらも素晴らしいアルバムだよ。だから、あそこで過ごせて、すごく嬉しかったんだ。でも、僕らがあのスタジオにいた時は大抵、午前3時に到着しては、その後できる限り何時間もスタジオにこもっていた、という具合でね。本当に辛い作業だった。でも、心が折れるようなことはなかったと言える、というのも僕らはかなり自信があったからね。僕らには、生まれながらの穏やかな傲慢さってやつが備わっていたんだ。自分達は優れているし、他とはかなり違った存在だと思っていたよ」。 クイーンは、トライデントの専属プロデューサーであるジョン・アンソニー及びロイ・トーマス・ベイカーと共に、本アルバムのレコーディングを行った。 両者共、信頼のおけるクイーン支持者で、バンドがトライデントと契約した際には手を貸してくれた人物だ。しかしながら、バンドはその後すぐに、スタジオの規則や規定という壁にぶつかることとなった。 ブライアンは次のように語っている。「素晴らしい技術が身近にあったにも拘らず、それを使う自由が僕らには殆どなかったんだ。僕らは何も知らない新人と見做されていて、僕らの望んでいたやり方に耳を傾けてくれる人は誰もいなかったんだよ」。 経験は比較的浅かったものの、クイーンには既に明確な音楽的ビジョンがあった。しかし、彼らの頭の中で鳴り響いていた壮大なギターとドラムの爆音を、自分達自身のものではないスタジオのパースペックス(=透明アクリル樹脂)製ドラムキットで午前2時に再現するのは、困難であることが判明したのである。 ロジャーは次のように語っている。「彼らのドラム音は生気に欠けたサウンドで、僕らが望んでいた音では全くなかったんだ。あそこにはドラム・ブースがあって、よく知られていた音がしたんだよ。ちょっとアメリカ的なサウンドだったね。すごくドライで、かなり分厚くて、生気のない死んだような音で、僕が望んでいたサウンドじゃなかった。僕が聞きたかったのは、鳴り響くドラム、ドラムならではサウンドだったんだよ。あそこには、自分のちゃんとしたドラム・セットさえ持ち込めなかったんだ。実際、ちょっと大変だったね。だからこのアルバムは、僕らが望んでいたような音にはならなかったんだ」。 「僕らとしては、全てが大胆不敵に、挑戦的に迫ってくるような音にしたかったんだ」とブライアンは言う。「僕らは、ドラムをブースの中から運び出してスタジオの真ん中に移動し、部屋中を囲むようにマイクを配置したいと訴えて、激論になった」。 だが、それはトライデント式のやり方ではなかった。「ロイ・トーマス・ベイカーに『これは、僕らが心から求めているサウンドじゃない』と言ったのを憶えているよ」とブライアンが続ける。「すると彼は、『心配いらない、ミックスで全部修正できるから』と言ったんだ。けれども、それが実現しないだろうことは、皆分かっていたと思う」。そして2024年を迎えた今、それが「ミックスで修正」されたのである。 クイーン独自の発想と途轍もなく大きな野望とが、既に楽曲自体に表れていたという事実により、彼らのフラストレーションはさらにその度合いを強めていった。「炎のロックン・ロール」は、まるで鬨の声の如く、続く「ドゥーイング・オール・ライト」「グレイト・キング・ラット」「ライアー」「モダン・タイムス・ロックン・ロール」「サン・アンド・ドーター」に出陣の合図を送っているかようである。 一方、聖書からインスピレーションを得た「ジーザス」や「マイ・フェアリー・キング」では、フレディの想像力が自由に駆け回っていた。後者は、この後間もなく“フレディ・マーキュリー”というステージ・ネームを名乗ることになるフレディが、「鷲の翼を持って生まれた馬」について歌い、「母なるマーキュリーよ、奴らの所業をご覧あれ」と乞い願う曲である。 「歌詞の中には、どこから生まれたのか僕には全く分からなかったものもあった」とロジャーは言う。「だけど、フレディは実に博識で、多種多様なスタイルを使いこなしていたね。本当にもの凄く頭の切れる奴だったんだ」。 極めて重要なことに、この新たな2024年ミックス版『戦慄の王女(クイーンI)』には、バンドとプロデューサー陣の一人との意見の食い違いによってオリジナルLPには収録されなかった「マッド・ザ・スワイン」が収録されている。同曲は今回、1972年にバンドが意図していた通り、アルバム本編の4曲目、つまり「グレイト・キング・ラット」と「マイ・フェアリー・キング」の間という本来の位置に復活を果たした。 ライデントでは様々な制約を課されていたにも拘らず、バンドは規則を破ることにも成功。ブライアン作曲の(そして“ボックス・セット”からの第一弾シングルの)「ザ・ナイト・カムズ・ダウン」は、やがてクイーン印のサウンドの一部となる、アコースティック・ギターとエレキ・ギターによる多層サウンドの青写真を描いていた曲だ。しかしバンドは、トライデントで新たなヴァージョンを録音し直すのではなく、ディ・レーン・リー・スタジオで録音していたデモ音源を使用したいと主張。その曲をアルバム用にミックスするため、彼らは“トライデント”と書いたラベルに貼り替えたケースにデモのマルチトラック・テープを入れ、こっそり持ち込んだのであった。 CD2:ディ・レーン・リー・デモ(2024ミックス)では、『戦慄の王女(クイーンI)』の辿った魅惑的な歴史を深堀りしており、アルバム制作に先立ってバンドが録音していたデモ音源を、最新の2024ミックスとして新たに提示している。1969年夏、ブライアンとロジャーがクイーン結成前に在籍していたバンド、スマイルが、ロンドンのキングスウェイにあるディ・レーン・リー・スタジオでレコーディングを実施。 それから2年後、同社は新たな複合スタジオ施設をウェンブリーで開業し、複数のミキシング・デスクや異なる部屋の音質をテストするため、手を貸してくれるバンドが必要となった。 クイーンがその役を引き受けるとブライアンとロジャーが志願し、バンドは1971年11月から1972年1月まで、同スタジオで時間を過ごした -「すごく興奮してゾクゾクしたよ」と、ブライアンは振り返る。結果、ディ・レーン・リーのチーフ・エンジニアであるルイ・オースティンが監修した5曲のデモを手にすることで、彼らの労は報われた。そのデモに含まれていたのが、「炎のロックン・ロール」「ザ・ナイト・カムズ・ダウン」「ジーザス」「ライアー」、そして「グレイト・キング・ラット」である。 「ディ・レーン・リー・スタジオで録音したデモは、僕らが夢見ていたものにより近かった」と説明するブライアン。「ドラム・サウンドがすごく開放的で、ギターにもアンビエントな雰囲気がある。僕らがこういう風にしたいと思っていたものにずっと近かったんだ」 。 「僕らは若かったし、自分達のやっていることは絶対間違いないと、完全に盲信していたんだ」と、ロジャーが語る。 これらのデモは、レコーディング契約を結ぶための売り込みを目的として制作したものではあったが、ブライアンによれば、最終的なアルバム・ヴァージョンと比べるとより自然なサウンドで、より即興性のある輝きに満ちた演奏になっていると、バンドは常に感じていたそうだ。このデモのミックスで現存する唯一の物理的音源が傷の付いたアセテート盤であることから、セルフ・プロデュースによるこのレコーディング音源は今回初めて、オリジナルのマルチトラックから修復を施した上でリミックスが行われた。 CD3:『戦慄の王女(クイーンI)』セッション、CD4:『戦慄の王女(クイーンI)』バッキング・トラックでは、トライデント・スタジオとディ・レーン・リー・スタジオの両方の舞台裏の様子が聞ける。 CD3:『戦慄の王女(クイーンI)』セッションには、アルバム本編収録曲の完全未発表ヴァージョンを曲順通りに配列。それぞれがオリジナルとは完全に異なっており、ディ・レーン・リーとトライデントの未発表音源を用いて今回新たに制作されたものとなっている。出だしのミスや、ガイド・ヴォーカル、バッキング・トラックや別テイク等の音源に混じり、メンバー同士がお喋りや冗談(「君だったろ、バルサラ君!」)を交わしたり、時には不満を表したりといった、会話部分も収録。別テイクの大半はアコースティック・ギターを中心に構築されており、エレキ・ギターは後から追加する形となっていて、これらの別ヴァージョンではオリジナルとは違った雰囲気が醸し出されている。 CD4:『戦慄の王女(クイーンI)』バッキング・トラックは、アルバム『戦慄の王女(クイーンI)』本編から、リード・ヴォーカル抜きのミックスを提供。
クイーンはディ・レーン・リー・デモを幾つかのレコード会社に売り込んだものの、どことも契約に至らず、結果、トライデントと契約を結ぶことになった。アルバム自体は、1972年には殆ど完成していた。だが、クイーンとプロデューサー陣は最終日までミックスについて議論を続けていたため、「炎のロックン・ロール」に関し、バンドは初期ヴァージョンのミックスの中から選ぶのではなく、トライデントでアシスタント・エンジニアを務めるマイク・ストーンが手掛けたミックスを選択。マイクは、クイーンのその後のアルバム5作で、エンジニアを担当することとなる。 トライデントはクイーンのデビュー・アルバムを複数のレーベルに売り込み、最終的に、英国ではEMIと、米国ではエレクトラと契約を結んだ。エレクトラの創設者ジャック・ホルツマンは、1973年4月9日にロンドンの〈マーキー・クラブ〉で行われたクイーンのライヴを鑑賞。今回のボックス・セットに封入されたブックには、その夜のライヴについて記したロジャーの日記が掲載されている。「大盛り上がりだった…。ジャック・ホルツマンが気に入ってくれた!」。ホルツマンは、次のように名言するメモをスタッフ間で回覧させていた。「私はポップ・ミュージックの未来を見た。それはクイーンというバンドだ」。 クイーンのデビュー・アルバム『戦慄の王女』は、英国では1973年7月13日、米国では9月4日までリリースを待つこととなり、彼らはフラストレーションを募らせていた。ロジャー・テイラーは「クイーンはもの凄く野心的で、そのことを恥じてはいない」と語っており、それまでの1年間で急速に成長を遂げていたのである。同アルバムのLP盤のライナーノーツにあった文言、つまり「[本作は]クイーンの音楽が、少なくとも過去3年間どのようなものであったかを表している」という簡潔な記述が、それを示唆していた。 アルバムが英国で発売される1週間前に、EMIは「炎のロックン・ロール」をシングルとしてリリース。しかし、ラジオでは中々エアプレイを受けられなかった。だが、耳を傾ける人がいたのは確かだ。 CD5:『戦慄の王女(クイーンI)』アット・ザ・BBCは、アルバム・ヴァージョンとは若干異なる「マイ・フェアリー・キング」で幕を開ける。これはLP発売の5ヶ月前、1973年2月に、ラジオDJで初期クイーンの熱烈な支持者だったジョン・ピールが担当するBBCレディオ1の番組『サウンズ・オブ・ザ・セヴンティーズ』で放送するために録音されたものだ、まだ誰も彼らのアルバムを聴いていなかったことから、バンドはバッキング・トラックを持ち込み、新録のヴォーカルやその他のオーバーダブを、この、彼らにとって初となるBBCセッション用に追加。これは、クイーンの音楽が世界で初めて放送に乗った瞬間であった。それに加え今回は、1973年2月から1974年4月にかけてBBCで放送された、『戦慄の王女(クイーンI)』全曲の別(新)ヴァージョンを含む、さらに3回分のBBCセッションが収録されている。 CD5『戦慄の王女(クイーンI)』アット・ザ・BBCと、CD6『戦慄の王女(クイーンI)』ライヴが立証しているのは、これらの楽曲がトライデント・スタジオを離れた所で、どのように成長し発展を遂げていったかということだ。 CD6:『戦慄の王女(クイーンI)』ライヴには、1974年3月に〈ロンドン・レインボー・シアター〉でヘッドライナーを務めた公演のベスト・パフォーマンスを収録し、さらに未発表曲も数曲追加。その中には、フリーの影響を受けた、マーキュリー/メイ/テイラー/ディーコンの作曲による「ハングマン」の初公式リリースも含まれている。同曲は、クイーンの初期ライヴの定番曲だったが、スタジオ録音は一度も行われなかった。この「ハングマン」の音源は、1976年3月に〈サンディエゴ・スポーツ・アリーナ〉で行われたバンドの全米ツアー最終夜にライヴ録音されたものだ。 『戦慄の王女(クイーンI)』ライヴの最後の曲では、クイーンがクイーンとなった歴史的な瞬間が再体験できる。108ページの付属ブックには、これまで一度も公開されてこなかった数多くの品々を掲載。その中には、ロンドンで行われたクイーンにとってのバンド史上初ライヴに際してロジャーが自ら書いた招待状もあり、そこには「[1970年]8月23日(日)午後7時30分、インペリアル・カレッジ…講堂A、5階」と書かれている。 この歴史的なショーのアーカイヴ・カセットからは、「ジーザス」と、スペンサー・デイヴィス・グループの1967年のヒット曲「アイム・ア・マン」のカバー、計2曲が発掘された。これらは、ジョン・ディーコンがバンドに加入する前のものとしては、現存するクイーン最古の音源だ。 オリジナル・アルバム『戦慄の王女』の最後のトラックは、切迫感に満ちた1分15秒に渡るインストゥルメンタルの抜粋「輝ける7つの海」だ。同曲の完成版が発表されるのは『クイーン II』で、全英シングル・チャートではトップ10ヒットとなった。だが、この短縮版の猛烈なリズムや、激しく打ち鳴らされるピアノ、オーケストラのように響き渡るギター・サウンドは、ある意味、クイーンのデビュー作を貫いている精神を巧みに捉えていると言える。それは、次の段階に進みたいと熱望し、休むことなく動き続けている、確固たる意志を持った若きバンドが放つサウンドだ。
フレディがかつて語っていた通り、「僕らは皆、頂点を目指していた。それ以下に甘んじるつもりも、それ以下で満足するつもりもなかった」のである。
ブライアンは次のように語っている。「フレディは必ず成功すると確信していて、疑うことを知らなかった。僕らは皆、早熟な少年だったけれども、彼は別格だったんだ。でも僕ら全員が、そういった情熱を共有していたよ。そして、そのエネルギーはどんどん増大していって、もの凄くパワフルなものへと結実していったんだ」。 そして、ロジャー・テイラーが最後にこう結んでいる。「『戦慄の王女(クイーンI)』ボックス・セットでは基本的に、現在ある技術を用いて、このアルバムが僕らの本来望んでいた音になるよう作り直したんだ。ドラム・サウンドも本来こうあるべきだったという音に仕上げて、全体な音質も向上し、ミックスも改善されている。だから、改良を加えることによって僕らが目指していた音に到達することができて、すごく嬉しいよ」 「だけど、このアルバムを何度も繰り返し聴き直していて驚いたのは、歌詞の中に相当宗教的なものがあるってことだった、そう、かなり宗教的なんだ」。
■『Queen I Collector’s Edition (6CD+LP)』
●CD1: Queen I - 2024 Mix
1 Keep Yourself Alive
2 Doing All Right
3 Great King Rat
4 Mad The Swine
5 My Fairy King
6 Liar
7 The Night Comes Down
8 Modern Times Rock 'n' Roll
9 Son And Daughter
10 Jesus
11 Seven Seas Of Rhye...
●CD2: De Lane Lea Demos - 2024 Mix
1 Keep Yourself Alive
2 The Night Comes Down
3 Great King Rat
4 Jesus
5 Liar
●CD3: Queen I Sessions
1 Keep Yourself Alive (Trident Take 13 - Unused Master)
2 Doing All Right (Trident Take 1 - with Guide Vocal)
3 Great King Rat (De Lane Lea Take 1 - with Guide Vocal)
4 Mad The Swine (Trident Take 3 - with Guide Vocal)
5 My Fairy King (Trident Backing Track In Development)
6 Liar (Trident Take 1 – Unused Master)
7 The Night Comes Down (De Lane Lea Takes 1 & 2 - with Guide Vocal)
8 Modern Times Rock 'n' Roll (Trident Takes 8 & 9)
9 Son And Daughter (Trident Takes 1 & 2 - with Guide Vocal)
10 Jesus (De Lane Lea Take 2 - with Guide Vocal)
11 Seven Seas Of Rhye… (Trident Take 3)
12 See What A Fool I've Been (De Lane Lea Test Session)
●CD4: Queen I Backing Tracks
1 Keep Yourself Alive
2 Doing All Right
3 Great King Rat
4 Mad The Swine
5 My Fairy King
6 Liar
7 The Night Comes Down
8 Modern Times Rock 'n' Roll
9 Son And Daughter
10 Jesus
11 Seven Seas Of Rhye…
●CD5: Queen I At The BBC
1 My Fairy King (BBC Session 1, February 1973)
2 Keep Yourself Alive (BBC Session 1, February 1973)
3 Doing All Right (BBC Session 1, February 1973)
4 Liar (BBC Session 1, February 1973)
5 Keep Yourself Alive (BBC Session 2, July 1973)
6 Liar (BBC Session 2, July 1973)
7 Son And Daughter (BBC Session 2, July 1973)
8 Modern Times Rock 'n' Roll (BBC Session 3, December 1973)
9 Great King Rat (BBC Session 3, December 1973
10 Son And Daughter (BBC Session 3, December 1973
11 Modern Times Rock 'n' Roll (BBC Session 4, April 1974)
●CD6: Queen I Live
1 Son And Daughter (Live at the Rainbow - March 1974)
2 Guitar Solo (Live at the Rainbow - March 1974)
3 Son And Daughter (Reprise) (Live at the Rainbow - March 1974)
4 Great King Rat (Live at the Rainbow - March 1974)
5 Keep Yourself Alive (Live at the Rainbow - March 1974)
6 Drum Solo (Live at the Rainbow - March 1974)
7 Keep Yourself Alive (Reprise) (Live at the Rainbow - March 1974)
8 Modern Times Rock 'n' Roll (Live at the Rainbow - March 1974)
9 Liar (Live at the Rainbow - March 1974)
10 Hangman (Live in San Diego - March 1976)
11 Doing All Right (Live in San Diego - March 1976)
12 Jesus (Live at Imperial College - August 1970)
13 I’m A Man (Live at Imperial College - August 1970)
●LP: Queen I - 2024 Mix
Side One
1 Keep Yourself Alive
2 Doing All Right
3 Great King Rat
4 Mad The Swine
5 My Fairy King
Side Two
1 Liar
2 The Night Comes Down
3 Modern Times Rock 'n' Roll
4 Son And Daughter
5 Jesus
6 Seven Seas Of Rhye…
■ADDITIONAL FORMATS:
1x CD: Queen I - 2024 Mix
2x CD: Deluxe Edition
CD1: Queen I - 2024 Mix
CD2: Queen I - Sessions
1x LP: Queen I - 2024 Mix
1x LP Picture Disc: Queen I - 2024 Mix
Exclusive to Queen Online Store
1x Cassette: Queen I – 2024 Mix
Also available in Download / Streaming / Atmos