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ローリング・ストーンズを彼らの孫のような若い人がプロデュースするとは具体的にどういうことをするのか?アンドリュー・ワット語る

2024/10/08 13:55掲載
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Mick Jagger, Andrew Watt, Keith Richards
Mick Jagger, Andrew Watt, Keith Richards
ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)やオジー・オズボーン、パール・ジャム、ポスト・マローンらを手がける人気プロデューサーのアンドリュー・ワット(Andrew Watt)。ストーンズをプロデュースする、ましてや彼らの孫のような若い人がプロデュースするとは具体的にどういうことをするのか? Varietyの新しいインタビューの中で、自身のプロデュース・ワークについて、ストーンズを例に語っています。

「そもそもポール・マッカートニー(Paul McCartney)ミック・ジャガー(Mick Jagger)キース・リチャーズ(Keith Richards)、エルトン・ジョン、エディ・ヴェダーなど、彼らは自分たちだけでアルバムをプロデュースできる。彼らは曲の構成、ミックス、スネアドラムの良いサウンドを理解しているし、それをずっとやってきた。だから、彼らの誰もプロデューサーを必要としていない。でも、彼らはプロデューサーを雇うことを選択しているんだよ」

「パンデミックの最中、ドン・ウォズから電話がかかってきて、“ローリング・ストーンズの曲をミックスしてほしい。オジーやエルトン(ジョン)とやったような、もう少しモダンでロックな感じの曲を作ってほしい。君とミックなら気が合うと思うんだ”と言われたんだ。これ以上ないほど素晴らしいお誘いだったよ! それで、みんなでZoomでミーティングをして、僕はいくつかの曲を手がけた。

そして2022年、僕はデュア・リパと仕事をしていた時に、ミックにロンドンにいるとメールしたんだ。彼はお茶に来ないかと誘ってくれたんだけど、ポール・マッカートニーとマルガリータを飲んだり、エルトンの家に夕食を食べに行ったりと、その旅は本当にクレイジーだった。その時、ミックはこう言った、“18年間このアルバムに取り組んできたんだから、完成させなければならない。いろいろなプロデューサーと仕事をするかもしれないし、一人のプロデューサーと仕事をするかもしれない。興味あるかい?”。“もちろん!”と答えたよ」

最終的に彼はプロデュースだけでなく、『Hackney Diamonds』の2曲の共同作曲も手がけることになりました。ローリング・ストーンズをプロデュースする、ましてや彼らの孫のような若い人がプロデュースするとは具体的にどういうことをするのでしょうか?

「僕はただ、(コンサートの)最前列で“自分が何を聴きたいか?”と考えながら、それを生み出そうとしていただけ。エネルギーに満ち溢れ、そのバンドを愛する人々が思い浮かべるものを呼び起こし、ヒット曲と調和していなければならない。ストーンズとパール・ジャムはまったく違うバンドだけど、とても似た哲学を持っている。彼らは世界最高のバンドだから、バンドのライヴ演奏を録音して、それを誇張しない。リアルで生々しさを感じさせつつ、ポスト・マローンやレディー・ガガの曲と並べても同じ音の迫力があるように、現代的なミックスをするんだ」

また技術的なことだけでなかったという。

「(バンドの外から威圧的な)話を耳にすることもあるけど、そんなものは忘れてしまうしかない。

僕は何のしがらみもなかったから、ミックやキースに普通ならやらないようなことを頼んだ。彼らの周囲にいる人なら誰もが“彼らはそんなことは絶対にしない”と言うだろうね。でも僕はただ頼んだだけ。そうやって“Rolling Stone Blues”のような曲が生まれたんだ」

マディ・ウォーターズの「Rolling Stone Blues」は、バンド名の由来ともなった曲ですが、彼らは一度もレコーディングしたことはありませんでした。

「僕は彼らにブルースの曲を演奏して欲しかった。キースは信じられないほど素晴らしいアコースティック・ブルースを演奏していたので、僕はミックに歌詞を書いて欲しいとずっと頼んでいた。ミックはアルバム制作中、僕に対してそれほど苛立っていたわけではないけど、書かなければならない歌詞が多すぎたので、最終的に“アンディ、ブルースの歌詞は書かないから、頼むのはやめてくれ!”と言っていた。

ある日、キースが“Rolling Stone Blues”を演奏していたので、カヴァーしてくれないかと頼んだ。すると彼は“すぐにでもやるよ、でもミックは絶対にやらないだろう”と言ったので、僕は“彼に聞いてもいい?と尋ねた。

それでミックに電話して“ブルースの歌詞は諦めたけど、キースはRolling Stone Bluesを演奏していて、すごくいいんだ。君たちは(この曲を)まだカヴァーしていないし、とりあえず、録音してみないかい? もし良くなかったら使わなければいいから”と話したんだ。彼は“いいよ。2時間後に行くよ”と言ってくれたよ。

ポール・マッカートニーにローリング・ストーンズの曲でベースを弾いてくれと頼んだときも同じだった。10秒間沈黙があり、それから“いいよ、喜んで”という返事をくれた。

とにかく頼んでみることだ! ダメで元々なんだ。」