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ダリル・ジョーンズ語る、なぜ多種多様な音楽家が彼に惹きつけられるのか?/若い音楽家が著名なアーティストの仕事を得るにはどうすればよいか?

2024/09/27 16:01掲載
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The Rolling Stones with Darryl Jones (Image credit: Getty Images)
The Rolling Stones with Darryl Jones (Image credit: Getty Images)
ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)を長年支えるベーシストのダリル・ジョーンズ(Darryl Jones)は、最初はマイルス・デイヴィス(Miles Davis)とのレコーディングとツアーで世界的に有名になりました。彼はジャズ紳士?それともロックスター? ジョーンズ自身もその答えを知らないという。Bass Player誌のインタビューの中でこう話しています。

「僕はどちらにも属している。

かつてモダン・ジャズのフェスティバルでマイルスと一緒に演奏していたとき、あるミュージシャンが僕のところに来てこう言った。“僕はロックはあまり好きじゃないけど、君のロックの演奏は好きだよ”。

その一方で、デヴィッド・ボウイと長年一緒に演奏していたギタリストのカルロス・アロマーとレコーディングをしていた時、セッションに参加していたのは皆ロック畑の人たちだった。セッションの終わりに、そのうちの一人が僕のところに来てこう言った。“俺はジャズは好きじゃないが、君のジャズの演奏は好きだ”。

ある意味、僕は放浪のミュージシャンであり、さまざまなスタイルを渡り歩いてきた。一緒に仕事をしたすべての人から影響を受けているよ」

Q:過去30年以上にわたり、スティング、マドンナ、ピーター・ガブリエル、エリック・クラプトンなど、数多くのアーティストとステージやスタジオで共演してきました。なぜこれほど多種多様なミュージシャンたちが、あなたに惹きつけられるのでしょうか?

「数年前、近所の友人から“君が今のように音楽を演奏している理由のひとつは、君の家にラジオが2台あったからだ”と言われた。どういう意味か聞いたら“君のお母さんはシカゴのソウルステーションWVONでジェームス・ブラウンやテンプテーションズなどを聴いていたよね”と言われた。WVONでは時々、“Angie”とか、“Satisfaction”とか、ストーンズの曲が流れていたけど、基本的にはすべてブラックミュージックだった。

友人は、僕の父がWBEEや公共ラジオでいつもジャズを聴いていたことや、カウント・ベイシーやオスカー・ピーターソンのレコードをかけたことも指摘していた。

僕の音楽にはモータウンの要素もあるけれど、スタンリー・クラークやアンソニー・ジャクソンから得たものもある。レイ・ブラウンも大好きだった。僕は必ずしも彼からスタイル的なものを学んだというわけではないけれど、グルーヴという点では、より多くを学んだよ。

僕はこれらのミュージシャンのことを何も研究していない。彼らの音楽が僕の血の中に入ってきたんだ。だから、僕は次から次へと渡り歩くことができたんだろうね。スティングのときもそうだった。彼の音楽はありふれたロックンロールでもありふれたジャズでもなかった。僕はその音楽を固める力になれたんだよ」

Q:若いミュージシャンがより知名度の高いアーティストの仕事を得るにはどうすればよいか、何かアドバイスはありますか?

「若いベーシストとそのような話をすると、彼らはたいてい、高校のバンド、大学のバンド、バーのバンドなど、自分の置かれている音楽的状況に不満を抱いているところから始まる。彼らは、もっと何かをしたい、もっとレベルの高いミュージシャンと演奏したいと僕に言う。

僕は彼らに、素晴らしいミュージシャンたちとの素晴らしい仕事を得る前に、その仕事をくれる人物に、君が一緒に演奏したくないと思っているドラマーとバーで演奏しているところを見られることになるんだよ、と伝えている。だから、まず、自分の今の仕事をうまくやる方法を考えなければならない。それが新しい仕事への入り口の一部になるんだからね。

次に、どんな音楽を演奏したいのか、誰と一緒に演奏したいのか具体的に考えるんだ。本当に一緒に演奏したいと思うバンドを3つまたは4つ選び、そのバンドの音楽に精通し、そのバンドのマネジメントにも精通するようにする。ドラマーであれマネージャーであれ、バンドのメンバーを雇う立場にある人がベーシストが必要になった際に、君のことを思い浮かべるように、全力を尽くすんだ。

まず、バンドのコンサートに行き、できればバンドのメンバーと知り合いになること。それが不可能な場合でも、自分自身のためにできる限りのことをしなければならない。例えば、そのバンドの音楽を聴きに行くとかね。準備を怠らないことで、幸運を自分の手で掴むことができるんだよ」