デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の人気曲「Heroes」の真のインスピレーションが明らかに。
ボウイは生前、一貫して、ベルリンに住んでいた頃、友人でありプロデューサーの
トニー・ヴィスコンティ(Tony Visconti)がベルリンの壁の近くで恋人と抱擁しているのを見てこの曲を書いたと主張していました。
しかし、英BBCの新しいドキュメンタリー番組『Archive on 4: Bowie in Berlin』は、この曲は1970年代半ばにボウイと交際していた、英国人のモデル/俳優/アーティストのクレア・シェンストンと過ごした1日を描いたものだと主張しています。
『Archive on 4: Bowie in Berlin』は、ベルリン3部作(『Low』『Heroes』『Lodger』)を生んだこの時代を再評価するもので、BBCラジオ4で英国時間9月14日に放送されます。英ガーディアン紙は、その抜粋を公開しています。
このドキュメンタリーで、シェンストンは、フランシス・ワトリー(『デヴィッド・ボウイ 最後の5年間』監督)に、2人の外出について語っています。
シェンストンによると、2人は「素晴らしい一日」を過ごしたという。彼女は、イルカと泳ぐ夢を見たことをボウイに話したことから始まり、その後、博物館の展示を見に行き、チェックポイント・チャーリー(※東ベルリンと西ベルリンの境界線上に置かれていた国境検問所)を通ってベルリンの東側へ向かったと語りました。
「私たちは無名戦士の墓で数時間を過ごし、衛兵たちは行進していました。私たちはしっかりと手をつなぎ、ただただすべてを受け入れました。それはとても極端な体験でした」
2人はその後、ボウイと一緒に西側に向かいました。こう続けています。
「私たちは壁の反対側を歩きました。スポットライトが照らしていて、銃のシルエットが見えました。私たちは手をつないでいて、彼は私のもう片方の手をとってキスをしたんです。とても美しかった」
この日の出来事の多くは「Heroes」の歌詞と一致しています。
歌詞の中には「イルカのように泳げたらいいのに」という一節もありますし、ボウイは「壁のそばに立っていた/そして銃が頭上を狙っていた/そして私たちはキスをした、まるでなにも心配なんて無いかのように」と歌っています。
シェンストンはドキュメンタリー番組の中で、曲を聴いたあと、「すぐに気づいたわよ」と振り返り、「それぞれの言葉の意味もわかったし、その日の出来事をその瞬間ごとに正確に描写していた」とも付け加えています。。