Johnny Ramone and Joey Ramone, photo by Michael Ochs Archives/Getty Images
ラモーンズ(Ramones)のレガシーをめぐる法廷闘争が続いています。
ジョニー・ラモーン(Johnny Ramone)の妻リンダ・ラモーンと、
ジョーイ・ラモーン(Joey Ramone)の弟ミッキー・リーは不仲で、1月にはジョーイの伝記映画をめぐってリンダがミッキーを訴えましたが、新たにミッキーがリンダを相手取り、ラモーンズの商標権を侵害し、バンドのレガシーを悪用しているとして訴訟を起こしました。
ジョーイの伝記映画『I Slept With Joey Ramone』は、ミッキーの回想録『I Slept With Joey Ramone』(2009年)に基づいた作品ですが、リンダは1月、この映画を、ミッキーが「ラモーンズの歴史を一方的に語ったもの」を基にした「ラモーンズを題材にした未承認・無許可の伝記映画である」と主張して、公開を阻止するために訴訟を起こました。
そして現在、ミッキーはリンダを「ラモーンズの名前にすがりついた、かつての“グル―ピー(追っかけ)”」と呼び、リンダに対して訴訟を起こして反撃に出ています。
米ビルボード誌によると、8月23日に提出されたという訴状には次のように書かれています。
「カミングス=ラモーンは、ラモーンズの名前、名声、レガシーを悪用し、個人的に利用して利益を得ようとする露骨な試みをしており、現在も続けています。彼女は自分がラモーンズのレガシーを受け継ぐ者であるという虚偽の物語を広めようとしています。彼女は間違いなくそうではありません。彼女はあからさまな自己宣伝者であり、著作権侵害者でしかありません。
ラモーンズは多くの点で唯一無二な存在です。そのひとつは、メンバー全員が血縁関係にないにもかかわらず、あたかも血縁関係にあるかのように同じ姓を使っている唯一の著名バンドであることです。そのため、被告は “リンダ・ラモーン”という名前を使うことで、ファミリーの一員として、公のスポークスパーソンとして、ラモーンズのレガシーに自分自身を関連付けることが容易にできましたし、“リンダ・ラモーン”を使うことで、ラモーンズと自分の個人ブランドを結びつけることも容易でした。
実際、夫であるジョン・カミングス(=ジョニー・ラモーン)が生きている間は“リンダ・ラモーン”は存在しませんでした。被告はカミングス氏が亡くなった後、次第に“リンダ・ラモーン”という名前を使うようになったのです。
カミングス=ラモーンは自らを“リンダ・ラモーン”と名乗り、ラモーンズのスポークスパーソンおよび“レガシーの守り手”であると一方的に主張しています。彼女は意図的に、自分がラモーンズのビジネスを主導したり、一方的に追求したりする権限を与えられているという誤った印象を与えています」
ジョーイ・ラモーンとジョニー・ラモーンのエステート(遺産管理人)は、それぞれラモーンズ・プロダクションの半分を所有しており、ミッキーとリンダがそれぞれの執行人を務めています。