ケイト・ブッシュ(Kate Bush)の「Wuthering Heights(邦題:嵐が丘)」でギターソロを弾いた
イアン・ベアンソン(Ian Bairnson)。彼はレコーディング当時、手首を骨折していてギプスをした腕でソロを弾いたというのは本当なのか? ベアンソンの盟友で同曲のレコーディングにも参加したデヴィッド・ペイトンが米Guitar Worldの新しいインタビューの中で、この曲のレコーディングを振り返っています。
ベアンソンはパイロット、
アラン・パーソンズ・プロジェクト(The Alan Parsons Project)、ケイト・ブッシュなどでの演奏で知られています。ベアンソンは2023年4月に70歳で他界しました。
今年6月には、「Wuthering Heights」をはじめ、パイロット、アラン・パーソンズ・プロジェクト、ケイト・ブッシュの作品でも使用した1974年製のレスポール・カスタムがオークションに出品され、手数料を含めて21,500ポンド(約430万円)で落札されました。
米Guitar Worldでは、パイロット、アラン・パーソンズ・プロジェクト、ケイト・ブッシュなど、多くの作品でベアンソンと共演したデヴィッド・ペイトンにベアンソンとの思い出を聞いています、
Q:お二人はケイト・ブッシュとも仕事をするようになったのですね。
「そうだね。僕たちはそういうことをたくさん一緒にやった。ケイト・ブッシュのセッションは僕たちにとって完璧だった。もうパイロットの活動を続けるつもりはなかったので、セッションワークは理想的なものだった。1976年か77年頃のことだったと思うけど、僕たちはセッションワークをたくさんこなしていた。
アンドリュー・パウエルが、パイロットのシングルのいくつかのストリング・アレンジを手がけたんだけど、彼はその後、ケイト・ブッシュの最初の2枚のアルバムをプロデュースすることになり、そのセッションにイアンと僕が参加することになったんだ。僕は“Wuthering Heights”では12弦ギターを弾いているよ」
Q:イアンがギプスをした腕でソロを弾いたというのは本当ですか?
「そうだよ。イアンと僕は共通の趣味をたくさん持っていて、そのひとつがトレイルバイクのレースだった。僕らはエディンバラに自転車を何台か持っていて、よく丘の上の射撃場に行って、そこで技を磨いていたんだ。イアンはたまたま、ちょっと無理なことをしてしまい、バイクでひどく転倒しまい手首を骨折してしまったんだよ。
家に戻ったとき、僕は“明日には良くなるよ。ただの捻挫だよ”と言ったんだけど、じつは骨折していた。気づかなかったよ。かなり腫れてきたので、病院に連れて行き、ギブスをつけてもらった。それから、セッションが近づいていることを知ったんだ......」
Q:どちらの腕でしたか?
「右腕だったと思う。どこかに、ギブスをつけて自転車に乗っている彼の写真があるはずだよ」