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84年からクイーンのツアーに参加しているキーボード奏者スパイク・エドニー 演奏の舞台裏を語る

2024/08/08 14:03掲載
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KORG - Spike Edney from Queen: Behind the scenes with the KORG Nautilus
KORG - Spike Edney from Queen: Behind the scenes with the KORG Nautilus
1984年からクイーン(Queen)のツアーに参加しているキーボード奏者スパイク・エドニー(Spike Edney)。KORGの映像企画に出演し、クイーン楽曲の演奏について自ら舞台裏を語っています。

エドニーとクイーンの関係は1984年のザ・ワークス・ツアーから始まり、フレディ・マーキュリーの最後のツアーとなったザ・マジック・ツアーにも参加しました。関係は今日まで続いており、アダム・ランバートを迎えた最近のツアーで実際に使用している楽器・機材を使って演奏について語っています。

以前はステージに複数のキーボードを持ち込んでいたエドニーですが、今ではそれはKORG Nautilus1台ですべてをこなすことができるという。また現在のワークステーションには大容量のサンプルメモリが搭載されていますが、80年代当時は容量が限られていたため、フロッピーディスクからサンプルを読み込んで切り替えなければなりませんでした。

エドニー:
「1984年当時、僕は3台のキーボードを使っていた。(一番下に)アナログ・キーボードがあって、真ん中にサンプラー・キーボードがあって、一番上にボコーダーがあったんだ。

ストリングスの音を出したかったら、演奏中に変更したり、アンロードしたり、リロードしたりしなければならず、それがいろいろな問題につながっていた」

バッキング・ヴォーカルはクイーンのバンド・サウンドにとって常に重要でした。エドニーは、ヴォコーダーを使うことで、ライヴ中にもクイーンのバッキング・ヴォーカルに厚みを増すことができたとも語っています。

「クイーンは、何層にも重なったスタジオ・ヴォーカルで有名だけど、ステージには4人しかいないから、とても難しい。僕は追加の人、5人目なんだ。

フレッド(フレディ・マーキュリー)がリード・ヴォーカルで、ブライアン(メイ)とロジャー(テイラー)はバッキング・ヴォーカルができる。ブライアンはステージを走り回っていることが多いから、彼はやらないけどね。ベースのジョン(ディーコン)は歌わない。

それでロジャーと僕がバッキング・ヴォーカルをやるから、2人の声になる。まあ、それは重層的ではないから、ある曲では助けが必要なんだ」

その後、エドニーは具体的な例として「Now I'm Here」でヴォコーダーがどのようにバッキング・ヴォーカルに深みと質感を与えることができたかを説明しています。

続いて、「A Kind Of Magic」では、エドニーが演奏するオープニング・サンプルは、曲のレコーディングから直接取り出したもので、オープニング・ラインの♪A Kind Of Magicと歌うフレディ・マーキュリーの声もサンプリングしていることを明かしています。

このほか「Another One Bites The Dust」でもスタジオ・サンプルを使用していること、「Under Pressure」でのキーボード演奏などについて語っています。

最後にエドニーはこう話しています。

「僕が思うに、クイーンは非常に要求の高い音楽的冒険であり、彼らのサウンドを観客にとって、よりリアルなものにするためにできることはたくさんある。レコードと全く同じにすることはできない。それは不可能だ。でも、できることは、人々に印象を与えるものを提供すること。十分に近づけば、あとは脳がやってくれるんだよ」