シン・リジィは1972年、 アイリッシュ・トラッドをロック風にアレンジした「Whiskey In The Jar」がヒットしますが、この成功はレコード会社がバンドに投資できるほどのものではなかったという。
「そう、俺らには何もなかったんだ。当時は3枚分のアルバム契約を結んでいて、その間に印象に残らなければ、彼らは俺らを乗せるために車を暖めていただろうね。プレッシャーは相当なものだったよ。フィル(ライノット)が持ってきたこの曲は、その時点では“The Boy Is Back”とか呼ばれていた。歌詞は素晴らしかったけど、コードにコードを重ねただけの、当たり障りのない曲だったんだ。
アルバム『Jailbreak』(1976年)のソングリストを作っていたとき、“よし、この9曲をやる、あそこの曲はやらないぞ”という感じだった。でも、マネージャーのひとりが俺たちに話を聞きに来て、“The Boys Are Backは? どうして捨てたの? 入れた方がいいと思う”と言ってくれたんだ。