Journey / Don't Stop Believin'
ジャーニー(Journey) の名曲「Don't Stop Believin'」の誕生と成功、普遍性について、
ジョナサン・ケイン(Jonathan Cain) と
ニール・ショーン(Neal Schon) が英ガーディアン紙の新しいインタビューの中で語っています。
■ジョナサン・ケイン
「僕は70年代にシカゴからハリウッドに移り住んだんだけど、支払いが遅れてしまい、父から借金をする必要があった。悪いと思った僕は父に尋ねた。“このまま家に戻って、ロックンロールの夢をあきらめるべきかな?”。すると父はこう言った、“いや、信念を貫け。Don't Stop Believin'(信じることをやめるな)”。当時の(一般的な)父親にとって、それは前代未聞のことだった。ほとんどの父親はこう言っただろう。“仕事に就け!”。
僕はそれを歌詞の本に書いた。それから5年後、僕がジャーニーに加入し、ヴォーカルのスティーヴ・ペリーがアルバム『Escape』のために新曲を探していたとき、頭の中で父のアドバイスが入ったメロディが聴こえてきた。
スティーヴと僕は、その曲に自分自身を重ね合わせた。ふたりともナイトクラブ・シーン出身で、ジャーニーでブレイクした。だから、僕たちは“スモーキー・ルームのシンガー”なんだと思う。サンセット大通りは、僕が音楽ビジネスを外から見ていた初期の頃の背景だった。歌詞に“大通りを行き来する見知らぬ人たち”というのがあるけど、それは僕はそこですべてを見ていたからなんだ。
ずっと後になって、僕のピアノのコードは“Let It Be”とほとんど同じだと知った。でも、少なくとも僕は新鮮な気持ちで挑んだ。いつも言っていることだけど、何かを盗むなら、最高のものから盗め。最近、オーストラリアのAxis of Awesomeという(コメディ)グループのビデオを見たんだけど、彼らは“Don't Stop Believin'”の替え歌を約30曲にわたって演奏しているんだよ(詳しくは
こちら )。
“Don't Stop Believin'”をレコーディングしたファンタジー・スタジオには窓がなかった。まるでお墓のようで、外が明るいのか暗いのかわからなくて気が狂いそうになった。でも、ニールと僕がアルバム『Escape』を聴いたとき、この曲には何かがあると思った。針を置いたとき、最初に聞こえてくるのは神秘的なピアノとあのセリフだ。“孤独な世界に生きる小さな町の少女”。引き込まれる。
どの曲にも運命があると思う。1981年に初めてリリースされたとき、“Don't Stop Believin'”はラジオであまりかからなかった。9位になっただけで消えてしまった。でも、この曲はずっと続いている。夢を見る許可を与えてくれる曲だよ。どこへでも行く真夜中の列車に乗りたがっている小さな町の女の子や都会の男の子はまだたくさんいる。誰もがまだ希望と機会と可能性の窓を探している。それは普遍的なものだ。それは決して変わらない」
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■ニール・ショーン
「スライ&ザ・ファミリー・ストーンのラリー・グラハムが所有していたオークランドの素晴らしいスタジオを引き継いだんだ。そこは目につかない場所にあって、ジャムや作曲をするバンドのクラブハウスになっていた。ある日、ジョン(ジョナサン・ケイン)が入ってきて“Don't Stop Believin'”のピアノ・パートを弾き、そして、みんなでこの新曲を弾き始めたんだ。
ジョンとスティーヴ(ペリー)が歌詞を書く前に、僕がギター・パートを思いついた。“diddly-diddly-diddly”という部分ね。それは“真夜中の列車”が線路を走り、スピードを上げているようなイメージを植え付けたんだ。実際には“サウス・デトロイト”は存在しないけど、スティーヴはイースト・デトロイトやノース・デトロイトよりも歌いやすいという理由でこの歌詞を書いた。
アレンジは実に奇妙だね。ラジオでオンエアされようとすると、サビを早く入れたくなる。よく言われるようにね、“退屈させないでサビを”ってね。“Don't Stop Believin'”のサビは最後の最後まで出てこない。スティーヴはそのサビを楽しみにしていたので、僕が“ギター・ソロでサビのメロディを弾くべきだと思うんだ”と言うと、彼は僕に向かってこう言った。“僕が歌う前にメロディを弾くの?”。
僕たちはとてもよくリハーサルをしていたので、まるでステージに上がるようにファンタジー・スタジオに入ったんだ。あの曲は数時間で完成させた。それが素晴らしいミュージシャンからなる本物のバンドを持つことの素晴らしさだよ。僕たちにはとてもケミストリーがあった。みんなが同じ部屋にいた頃が本当に懐かしいよ。
完成した曲を初めて聴いたとき、これは特別な曲だと思ったけど、世界的なアンセムになるまでに何年もかかった。なぜ“Don't Stop Believin'”が新しいミレニアムの中で爆発的にヒットしたのかについては、誰もが自分なりの説を持っている。まず、シャーリーズ・セロン主演の映画『モンスター』があった。そして『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』。携帯電話にメッセージがいっぱい送られてきて友達みんなが“ラストシーン見た?”と言ったのを覚えているよ。それから『glee/グリー』が始まった。ティーンエイジャーのための番組だと思っていたし、僕たちにはあまりクールではないと思っていたから、怖くなってしまった。それが若い世代に僕らの音楽を知ってもらうきっかけになるとは思ってもいなかった。僕はロッカーでブルース・マンなんだけど、いつも冗談を言っている。もし、僕が何かが感傷的すぎると思うのなら、それはたいていビッグなものになるだろう!ってね。
僕たちは3年間のアリーナ公演を完売させたばかりで、バンドは今、全力で燃えている。ライヴで“Don't Stop Believin'”を演奏すると、まるでフェラーリに乗っているような気分になるんだ」
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