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ギーザー・バトラー、ドラッグ使用はブラック・サバスの創作活動に役立った?/サバスとパンクの関係性/サバスが音楽的にバラエティに富んでいた理由を語る

2024/06/11 11:27掲載
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Geezer Butler
Geezer Butler
ブラック・サバス(Black Sabbath)ギーザー・バトラー(Geezer Butler)は、自伝『Into The Void - From Birth to Black Sabbath』のペーパーバック版の発売にあわせ、Songfactsのインタビューに応じています。

バトラーは、ドラッグの使用はサバスの創作活動に役立ったと思うか? サバスとパンクの関係性について、サバスが音楽的にバラエティに富んでいたことについて語っています。

Q:この本の中で、あなたは自分やバンドのドラッグ使用について率直に語っていますね。ドラッグの使用はサバスの創作活動に役立ったと思いますか、それとも妨げになったと思いますか?

「最初は役に立っていたと思うが、やがて邪魔になるようになった。それが70年代後半に最初のラインナップが解散する原因となったんだ」

Q:当時、作詞や作曲をする上で、他のものよりも役に立ったと言える特定のドラッグはありましたか?

「『Vol.4』を制作していた頃、俺たちは初めてベルエアの巨大邸宅に全員揃った。当時は“コカイン時代”で、初めて全員がコカインに夢中になっていた時期だった。同じ家に全員が集まっていたため、毎日パーティーをしていたよ。

昼も夜も関係なく、誰かがアイデアを思いついたら、起き上がってそのアイデアをみんなに披露していた。もし本当に疲れていたら(コカインを)何回か吸うんだ。そうすることで、昼夜を問わず、いつでも一緒に演奏することができたん」

Q:コカインと言ったことに驚きました。マリファナと言うと思っていました。

「『Masters Of Reality』は“マリファナ・アルバム”だったかもしれない。あの頃はみんなマリファナを吸っていたからね。『Vol. 4』と『Sabbath Bloody Sabbath』は“コカイン・アルバム”だった」

Q:ブラック・サバス楽曲のベスト・カヴァーは?

「チャールズ・ブラッドリーの“Changes”かな。彼の声にはソウルフルさがある。とてもソウルフルで、素晴らしい。彼の表現の仕方は素晴らしいと思うよ。

Q:あなたの著書では、パンクバンドのディッキーズによる「Paranoid」のカヴァーがお気に入りだと書かれていますね。

「あれは70年代に誰もやったことのない最初のカヴァーだった」

Q:パンクといえば、私がずっと思っていたのは、初期のパンクと初期のメタルにはあまり違いがないということです。例えば、ブラック・サバスの曲を速くすればラモーンズのように聴こえるし、ラモーンズの曲を遅くすればブラック・サバスのように聴こえます。

「そうだと思う。パンクミュージシャンの多くは、俺たちがやっていることをとても気に入っていたし、俺たちも彼らのやっていることが好きだった。

セックス・ピストルズのやっていることは大好きだった。ザ・クラッシュの一人はトニー(アイオミ)のアルバムで演奏していたし(※初期メンバーでドラマーのテリー・チャイムズは1987年と1988年にサバスのツアーに参加)、ジョニー・ロットン(ジョン・ライドン)がアリス・クーパーを好きだったことも知っている。ラモーンズとも一緒にツアーをしたしね」

Q: 私がブラック・サバスを好きだったことのひとつは、ハードロック・バンド、あるいはヘヴィ・メタルを生み出したバンドと考えられていたにもかかわらず、サバスは音楽的にバラエティに富んでいたことです。そしてそれは、現代の多くのハードロックやメタルに欠けているものだと感じています。どう思いますか?

「その通りだと思うよ。俺たちのアルバムは、本当にヘヴィなものからジャズまで、実に幅広い音楽性を持っている。例えば“Air Dance”は完全にジャズだ。曲を最初に作ったときは、ビル・ワードがバディ・リッチの影響を強く受けていたため、彼のドラミングにはスウィング感があった。俺たちは特定のサウンドに縛られたくなかったので、時間があるときはいつも実験を楽しんでいたんだ」

Q: あなたは本の中で良い点を指摘していますね。アルバムにソフトな曲を入れると、ヘヴィな曲がよりヘヴィに聴こえる。最初から最後までヘヴィな曲ばかりなのとは対照的に。

「そうだね、それはビートルズから多くのインスピレーションを得ていたから。ビートルズのアルバムは、普通のポップソングを演奏しているのに、とても変化に富んでいる。特に『サージェント・ペパーズ』は、それぞれの曲に独自のサウンドとフィーリングがあるんだ。俺たちは、1枚のアルバムに特定の1つのサウンドだけを使いたくなかった。変化を持たせたかった。それに、その方がミュージシャンとして成長できるしね」

チャールズ・ブラッドリー「Changes」


「Air Dance」