ジョン・レノンが『Help!』で使用した12弦アコースティックギター　50年以上を経て屋根裏部屋で発見　オークションへ

ジョン・レノン（John Lennon）がビートルズ（The Beatles）のアルバム『Help!』のレコーディング・セッションで使用し、同名映画にも登場した12弦アコースティック・ギターは、50年以上の間、失われたと思われていました。しかし、ロンドン郊外の田舎家の屋根裏部屋で最近発見されました。オークションに出品されます。

この12弦アコースティック・ギターは、1960年代初頭にドイツのギターブランド、フラマス（Framus）によって製造されたフーテナニー・モデル。

主にジョンが演奏し、映画『ヘルプ!4人はアイドル』では「You’ve Got to Hide Your Love Away」の演奏に使用されています。またこの曲のスタジオ・ヴァージョンでもこのギターが使用されており、さらにタイトル曲の「Help！」、「It's Only Love」、「I've Just Seen a Face」でも使用しています。

また、ジョージ・ハリスン（George Harrison）は「Norwegian Wood」のリズム・ギター・パートを弾くのにこのギターを使用し、『Rubber Soul』のもう1曲「Girl」でも使用しています。

ジュリアンズ・オークションの共同設立者兼エグゼクティブ・ディレクターのダレン・ジュリアンによると、現在の所有者は、このギターを自分が所有していることを忘れていたそうで、もともとはピーター＆ゴードン（Peter And Gordon）のゴードン・ウォーラーから贈られたものだという。

ダレンはイギリスに渡り、ギターが保管されていた家でギターを確認し、ゴミ箱に捨てられていたというギターのオリジナル・ケースも救出しました。ダレンはビートルズの歴史家であるアンディ・バビウクとダニー・ベネットの協力を得て、この楽器の出所を確認しています。ダレンはこう話しています。

「ギターの木目は指紋のようなもので、同じものは2つとありません。ジョンとジョージが弾いているギターと木目が完璧に一致するだけでなく、ピックガードも写真で正確に一致します。このギターは約50年間手つかずの状態だったため、美的の面でもジョンとジョージが弾いていた時と全く同じ状態なのです」

2015年、ジュリアンズ・オークションズはジョンの別のギターを販売しました。そのギター、J-160Eギブソンのアコースティックギターは241万ドルの値がつきました。

新たに発見されたフラマスのギターの落札予想価格は60万～80万ドル（約9300万円～約1億2400万円）ですが、ジュリアンは「歴史的により重要」であるため、ギブソンよりも高く売れる可能性があると主張しています。

今回発見されたフラマスのギターは、5月29日から30日にかけて開催されるジュリアンズ・オークションズのミュージック・アイコンズ・オークションの一部として競売にかけられる予定です。オークションの前にはイギリスやアイルランド、アメリカなど世界各地で展示される予定です。