プリンス(Prince)は2014年、
ナイル・ロジャース(Nile Rodgers)率いる
シック(Chic)のライヴにサプライズで登場して
デヴィッド・ボウイ(David Bowie)「Let's Dance」を一緒に演奏しました。ロジャースはこの共演を振り返り、またそれ以前にプリンスに共演をすっぽかされたことも話しています。
ポッドキャスト『At First Listen』の中で、ロジャースはプリンスとは長年にわたって強い信頼関係があり、プリンスには気まぐれなところがありましたが、二人の関係は完全に対等だったと語っています。
「僕らの関係は尊敬と憧れのもので、プリンスと一緒にいて居心地が悪いとか、そういうことはなかった。“プリンスの目を見てはいけない”なんてこともなかったよ。そういう変な感じは一切なかった」
しかし、プリンスに共演をすっぽかされたことが一度だけあったという。
ロジャースによると、プリンスは、ロジャース率いるバンドが2012年か2013年の大晦日に行うライヴにゲスト出演して「Let's Dance」を一緒に演奏することを約束したものの、いざロジャースがプリンスをステージに上げようとすると、プリンスは姿を消していました。
「特に恥ずかしかったのは、昔から知っている人たちがそこにいたことなんだ。ジョン・ボン・ジョヴィもいたし、他の有名人もいた。みんな“うわー、今夜はプリンスとの共演が見られるんだ”みたいな感じだった。そんな中で僕は“みなさん、プリンスです!”と(ステージで)言ったんだ。しかし、プリンスはどこかに行ってしまったんだ。
彼は立ち去ったとみんなから聞いたよ。夜が明ける頃、彼はやってきて、ただ座って僕と一緒にいた。なぜ現れなかったのか、彼に尋ねたかどうかは覚えていない。僕はただ“もう二度と同じ過ちは繰り返さないぞ”と思っていた」
ロジャースがプリンスを再び共演に誘うことはありませんが、プリンスは2014年にニューオーリンズで開催された<エッセンス・フェスティバル>で、シックのライヴ中にサプライズで現れました。ロジャースはこう振り返っています。
「それから約1年後、彼はエッセンス・フェスティバルでゲスト出演すると言ってきたんだよ。今度は7万人の観客がいる。僕たちは大きなドームで演奏していたんだ。
プリンスが“よし、一緒にLet's Danceをやろう”と言ったので、僕は“今夜は、すっぽかすのはダメだからね”と言ったよ。それでステージに出て(“Let's Dance”のブリッジ/Bメロで)“Jump, Jump, Jump, Jump, Jump”と言ったんだ。観客が叫び始めたんだけど、なんでそんなに叫んでるのか全然わからなかった。僕は“毎晩やってるけど、こんな反応はない”と思ったんだ。それから左側を見ると、プリンスがいて、ブラック・パワーのように拳を突き上げてジャンプしていたんだ」
ロジャースはバンドに演奏を続けるように合図し、プリンスがソロを演奏できるようにしました。ロジャースは、シックが次の出演バンドのセット時間に食い込まないように、パフォーマンスをカットしなければならなかったことを後悔しているという。
「プリンスと一緒にいて楽しい時間を過ごしていたのに“ああ、もう曲は終わりだ”という感じだったんだ。だからカットしたけど、素晴らしかったよ。彼と一緒に演奏するのはとてもいい気分だった」
以下は、当日のファン撮影の映像